元近鉄 佐野慈紀さん 病気の影響で右腕切断手術を終えたと報告

プロ野球の近鉄などで右投げのピッチャーとして活躍した佐野慈紀さん(56)が病気の影響で右腕を切断する手術を終えたことを2日、自身のブログで明かしました。

佐野さんは松山市出身。

平成3年、ドラフト3位で近鉄に入団し主に中継ぎとして活躍しました。

プロ野球では近鉄と中日、それにオリックスであわせて11年間プレーし、通算41勝、27セーブをマークして平成15年に現役を引退しました。

佐野さんは、これまで自身のブログで去年4月に「重症下肢虚血」と診断され、およそ1年間にわたって入院生活を続けてきたことを報告していました。

当初は、緊急処置として右足の中指を切断する手術を受け、その後、リハビリを続けていたということです。

さらにことし1月には、心臓の弁の動きが悪くなる「心臓弁膜症」が発覚し「動脈硬化が激しく回復がままならない。糖尿病による影響は恐ろしい」などと伝えていました。

56歳の誕生日の4月30日に更新したブログでは、感染症がさらに進行し右腕を切断する手術を受けることを明かしたうえで「56歳最初の出来事が右腕を失う事。涙は出なかった」「一緒に戦ってくれた右腕感動を分かち合った右腕明日、お別れする。ごめんなさい」などと心境をつづっていました。

そして2日「無事に」というタイトルでブログを更新し「終わりましたリハビリ頑張る」と右腕を切断する手術を終えたことを明かしました。

ブログに励ましのコメント

佐野さんのブログには、近鉄時代からのファンだという人や同じ病気を抱えているという人などから励ましのコメントが寄せられています。

佐野さんが右腕を切断する手術を受けることを明かした4月30日のブログには近鉄時代からのファンだという人などからコメントが寄せられ「明るい佐野さんならきっと乗り越えていけると思う」とか「よく仕事した立派な右腕です。お疲れ様と一緒にねぎらわせてください。ご苦労さまでした。そしてありがとう!」など励ましのことばが相次ぎました。

佐野さんと同じ病気で切断の手術を経験したという人からも「ここを乗り越え、また皆に佐野さんの明るい笑顔を見せてくださいね!ひとりではありませんからね」などとコメントが寄せられていました。

手術を終えたことを報告した2日のブログには「リハビリがんばって応援しています。若い頃から、佐野さんのキャラ大好きでした。また、見たいです」などとエールが送られていました。

梨田昌孝さん「近鉄OBの一員として支えていきたい」

佐野さんが近鉄でプレーしていた当時、チームのコーチなどを務めていた梨田昌孝さんは「右腕を切断すると聞いたときはショックを受けた。近鉄OBの一員として応援したいし、支えていきたい」とエールを送りました。

梨田さんは、近鉄で1軍のバッテリーコーチや2軍監督を務め、佐野さんの活躍を支えました。

佐野さんが利き腕の右腕を切断する手術を受けたことについて「右投げのピッチャーなので自分の命と同じくらい大切な右腕を切断すると聞いたときはぼう然とした。『神様はなんてかわいそうなことをするんだろう』と思うくらい、ショックを受けた」と心境を話しました。

また佐野さんの現役時代を振り返り「すごく明るい雰囲気を作ってくれるピッチャーで笑いを誘っていたが、非常に賢くすばらしいボールを投げてチームの勝利に大きく貢献してくれた」と話しました。

最後に佐野さんへのメッセージとして「かなり大変な病気だと思うが何とか立ち直り元気になって、子どもたちにまた野球を教えられるくらい頑張ってほしいなという気持ちがある。近鉄OBの一員としてこれからも応援したいし、支えていきたい」とエールを送りました。