衆議院補欠選挙 3選挙区で告示 自民は2選挙区で擁立見送り

衆議院の3つの補欠選挙が4月16日に告示されました。選挙結果は岸田総理大臣の今後の政権運営や衆議院の解散戦略に影響を与えることも予想され、4月28日の投票日に向けて、激しい選挙戦が繰り広げられます。

衆議院の3つの補欠選挙の立候補の受け付けは午後5時に締め切られました。

《島根1区》

島根1区は前の衆議院議長の死去に伴って行われます。

《東京15区》

東京15区は、前の法務副大臣が公職選挙法違反の罪に問われ、衆議院議員を辞職したことを受けて行われます。

《長崎3区》

長崎3区は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で立件された衆議院議員が辞職したことに伴って行われます。

3つの補欠選挙は政治とカネの問題や経済政策などをめぐって論戦が交わされる見通しです。

選挙結果は岸田総理大臣の今後の政権運営や衆議院の解散戦略に影響を与えることも予想され、4月28日の投票日に向けて激しい選挙戦が繰り広げられます。

政治部 記者解説

Q1.今回の補欠選挙、どう位置づけられる?
A1.現時点での岸田政権への評価が示されることになると思います。今回の選挙は、去年秋に自民党の政治資金問題が明らかになってから初めての国政選挙です。自民党は東京15区と長崎3区の2つの選挙区で候補者の擁立を見送りましたが、与野党が対決する構図になる唯一の選挙区、島根1区で逆風を食い止め、1議席を死守したい考えです。

Q2.野党側はどうでしょうか?
A2.立憲民主党は3つの選挙区で、また日本維新の会は東京と長崎、2つの選挙区で候補者を擁立しています。政治資金問題の追及を強めるなどして自民党から議席を奪い、今後に弾みをつけたい考えです。

Q3.補欠選挙の結果は政権運営に影響を与えますか?
A3.ないとは言えないと思います。実際、補欠選挙の結果はときの政権に影響を与えてきたんです。
たとえば2008年4月に行われた衆議院山口2区の補欠選挙で自民党は当時の民主党に敗れ、福田内閣は9月に退陣しています。また3年前の4月に衆参3つの補欠選挙などが行われ自民党は候補者擁立を見送った選挙を含めて敗北しました。その後、菅総理は9月の総裁選挙への立候補を断念した経緯があります。ただ、今のところ、岸田総理周辺は「選挙区によって事情が異なるため、結果が政権運営に直結することはない」と話しています。
一方、立憲民主党の泉さんですが、就任して2年半ほどたちますが補欠選挙で党の公認候補が勝利したことがありません。9月には代表選挙を控える泉さんにとっても、選挙結果が持つ意味は小さくないと思います。

今回の補欠選挙は与野党各党にとって次の衆議院選挙の行方を占うものとなるだけに、勝敗に加え、その戦い方も重要になります。