【テキストまとめ】少年院に入っていた人
反抗が友だちにほめられたことがすべての始まりだった
【山里】シュウジさんはね、悪い人になっていくきっかけというか、何でそんなにこう荒れてたのかな?
【シュウジ】中学校1年生に入って自分に自信がなくなってる時に、1つ認めてもらえることがあったんですけど。規則違反をした時に、先生に対して反抗をしたんですよ。そしたら、それを見てた友達が僕のとこに来て「先生に反抗してすごいじゃん」って。
【YOU】うんうん
【シュウジ】勉強もダメだし、部活もダメだと思ってたんですけど、やっとこんな自分でも周りから認めてもらえることがあるっていうふうに思ったんですよね。それで、そこから少しずつたばこ吸ってみたり髪染めたりすると、またカッコいいねとか、気合いが入ってるねとか言ってくれるようになって、それで悪い道にどんどん僕は進んでいきました。
【YOU】なるほど。
【山里】はぁ~、ワルのことで認められたのが初めて認められた瞬間だから、そこからもっと認めてもらうために悪いこと積み重ねていっちゃった?
【シュウジ】はい。
少年院の生活 暗号で連絡先を…
【YOU】生活自体はつらくはなかった?
【シュウジ】めちゃくちゃつらかったです。朝の7時に起きて夜の9時に寝るんですけど、完全に毎日プログラムがびっちり決められてて。農業をやったりとか、木工科とか言って本棚をつくったりとか、集団暴走したときの危険性とか、薬物の危険性とか。
【YOU】ビデオ見たり
【シュウジ】そうです。
【ミホ】女子はやっぱ男性異性交遊とかについて性病だったりのビデオだったりとか、そろばんだったり、パソコンだったり、資格取得や販売員だったりいろいろあるんですけど。
【シュウジ】それ以外のこと絶対やっちゃいけないんです。あのおしゃべりとかしたらいけないし、笑顔でスマイルとかもダメなんで。
【YOU】スマイル禁止(笑)。
【シュウジ】スマイル禁止なんですよ。中にいる子たちと仲よくなったらダメなので。
【YOU】なるほど。
【シュウジ】仲よくなったら、出て一緒に悪さするんじゃないかって。
【YOU】するするする、絶対する。うん
【ミホ】友達がやっぱできるんですけど、その中で出院後どうしても会いたい子は、連絡先交換しちゃいけないんですけど、お母さんに書く手紙の中に電話番号を斜めに数字入れていって一応自分なりの暗号をつくって送ってました。
【山里】で、それは会ったんですか、出た後に。
【ミホ】連絡取れなかったです。電話番号は合ってたんですけど、ちょっと拒否られてるっていうか、新しい道を多分歩いていったんだと思います。
【YOU】何かね、隠したかったりとかもあるだろうしね
人生を決めるボウリング対決 勝者は…?
【シュウジ】妻と夜景見てたときに真剣に考えたことがあって、このまま今の状態で子供が生まれてきたら、どんな生活になるのかなということを考えたら、暴力団の人の付き人みたいなことしてたので、子供生まれても、旅行に行ったりとか、運動会とか参観日とかもまともに参加できないと思いましたし。今のままだったら刑務所出たり入ったりをずっと繰り返すなと思って。親も選べずに生まれてくる子供が、生まれてくる前から不幸になることが決まってるっていうのだけはどうしても嫌だなと思って。それまで本当に真面目になろうとか、本当思ったことなかったんですけど。
【山里・YOU】ほー!
【シュウジ】その時に今日から変わろうということを決心したんですよ。
【YOU】星空を見ながら。
【シュウジ】はい。
【山里】でもそんな容易に抜けれるものなんですか?
【シュウジ】でも、僕の2つ上の先輩が先に暴力団辞めたんですけど、ずっと逃げてて捕まえられたときは、頭から灯油ぶっかけられて、殺されそうになってたんで
【YOU】うわー
【山里】こわいなー
【シュウジ】だから僕もちゃんと話しに行くのがだんだん怖くなっちゃって、今日から逃げようと決めて兄貴分に別れの手紙といいますか「今までお世話になりました…縁を切らせてください」っていう手紙を書いて、それを兄貴分の車のワイパーにサッと挟んで、ブーンと逃げました、その日に妻と一緒に。
【YOU】おー
【山里】でもミホさんはだってそれ言われたときどうでした?
【ミホ】あのそのままの生活でずっと私は満足っていうか、子どもがいればいいってずっと思って
たんですけど。ボウリング対決して。
【YOU】は?
【山里】な、何のため? ボウリング対決?
【YOU】ちょっと待ってください。
【シュウジ】まじめになりたかったんで、違うとこに逃げたいって言ったんですよ。
【YOU】言った。
【シュウジ】でも妻は地元にいたい。
【YOU】いいじゃないか、このままで。
【シュウジ】じゃあ、これはもうボウリングで勝負して…。
【YOU】いやだから解決の仕方がさ
【山里】人生がかかってんのに?命がけのボウリングだ。
【YOU】面白い。したら?
【ミホ】私が勝ってよっしゃー!と思って帰ろうって言ったら、シュウジがそこから急に真面目になって。今までは大事にできなかったけど、子どもとミホのために時間つくって大事にするって言われて、それが結構心に染みて、そのときついていこうって決めました。
誰にでもひとつはいいことがある
【山里】最後に聞きたいんですけど。今、過去を振り返ってどう思います?
【シュウジ】もしタイムマシンで戻れるんだったら犯罪しない選択をやっぱりしたいですね。
【山里】学校でちょっとした悪いことを褒められたって、あの瞬間から一番、そこから変わってくるんですもんね。
【シュウジ】はい、そこまで戻れると、いろんな中学生にも伝えたいなと思うんですけど、勉強ができなかったりとか、部活ができなかったから僕は自分がダメだと思ってしまったんですけど、べつに勉強ができなくても、スポーツができなくても、たとえばお母さんに優しいとか、友達に優しかったりとか、靴を並べて揃えられるとか。絶対1つでもやっぱりいいとこってみんなあるんで。って話したいと思ってます。
【山里】なるほどな。ほめてあげることに力を入れることがすごい大事なんだなっていうのも気づきますわね。
【シュウジ】本当にそうですね。
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投稿時間:12:22