髪の毛を通して振動を伝え、耳の不自由な人を手助けするヘアピン型のウエアラブル端末“オンテナ”

聴覚障害者を手助け ヘアピン型端末“オンテナ”

2016年12月14日(水)

これは、音を振動と光に変えるものなんです。

そうなんですね。

髪の毛を通して振動を伝え、耳の不自由な人を手助けするヘアピン型のウエアラブル端末。







内蔵したマイクで拾った音を、256段階の振動と光に変換して伝える仕組み。







「髪に音のアンテナを立てる」という意味を込めて「オンテナ」と名付けられた。 開発した会社では、全国の聴覚障害者の団体やろう学校などに試作品を送って実際に使ってもらい、改善点の指摘を受けながら、実用化を目指す。



これが、その「オンテナ」です。音、そして私の声に合わせて、実は今、振動しています。LEDも光っているのが、わかりますでしょうか。大きな音には大きく振動しています。そして、小さな音には小さく震えています。

僕の声にも反応するんですか?

今、震えています。

桑子さーん。

きてます、きてます。

あ、光ってる。

これは、音を振動と光に変えるものなんです。仕組みはこのようになっています。左側の黒い部分がマイク、右側にLEDがあります。中にはマイクで拾った音を256段階の振動に変える装置が内蔵されているんです。

結構、細かく対応するということですね。

振動の強弱で音の大きさや距離、そしてリズムの違いなどが分かるものなんです。しかも補聴器と違って、全く耳が聞こえない方でも音に振動で気がつくことができるんです。どんな使い方をするのか、こちらご覧ください。

こちらの女性、生まれつき聴覚障害があるんですが、読書に集中していても、オンテナの振動で来客に気が付きました。今度は、携帯電話のメールなどの着信音。振動のパターンが違うので、インターフォンと区別できたんです。

オンテナを使ってみた聴覚障害のある人の声をいくつかご紹介します。「セミの声がどんなリズムなのか初めて感じとることができた」。さらには「振動が大きくなることで、車が次第に近づいてくるのに気づけそう」という声もありました。

これも切実な話ですね。でも、音を形にするというか、音のある世界を感じられるようにするという発想がすばらしいですね。

“ヘアピン型端末” 開発にかける思い

開発したのが、大手電機メーカーのデザイナー、本多達也さん、26歳です。大学の卒業研究でオンテナの原型を作り、大学院の2年間も開発に没頭しました。きっかけは、大学1年生の時に聴覚障害のある方と出会ったことだったそうです。

大手電機メーカー 本多達也さん(26)
「(聴覚障害者が)部屋を探しているのを助けたのがきっかけ。テクノロジーを使って、音を伝えたい思いで、研究を始めた。」

なるほど。そんな出会いが背景にあったんですね。

ただ、開発は試行錯誤の連続だったようです。はじめ、振動装置を腕など、肌に直接つけたところ「気持ち悪い」とか「蒸れる」という声が上がりました。そこで、続いては洋服につけました。今度は「振動が伝わりにくい」と言われたんですよね。最後にたどりついたのが、髪の毛につけるというスタイルでした。

苦心の末の結果なんですね。ただ、ツイートでもありましたが、障害者向けの製品ってなかなか、たちまちビジネスにするというのは難しいかもしれませんよね。

本多さんの務めるメーカーは、「今後の成長に可能性がある」ということで、積極的に開発を後押ししているそうです。

そうなんですね。障害者のみなさん、それから、見過ごされがちな人のいろんなニーズを拾いあげて、課題の解決にチャレンジしていく。そんなチャレンジが、新しいモノづくりに、こうしてつながっていくのかなぁというふうに思いました。

未来を感じるものですよね。

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