イルカが暮らす里の入り江 (2014年 9月29日(月)放送  石川県七尾市)

七尾湾は能登半島の内側、日本海の荒波が届かない内湾だ。その中央にある能登島周辺は特に穏やか。海と田んぼが同じ高さで接し、イネの横でアマモやホンダワラなどが揺れる風景も珍しくない。その藻場では、糸の様に細く、粘りの強いモズクが育つ。ホンダワラに着生する「絹モズク」だ。漁師は、竹で細かい熊手の様な道具を作り、モズクだけを巧みに絡め取る。他の産地ではホンダワラごと刈り取るが、能登島ではホンダワラを傷つけずに残す。そのため藻場は、酸素が豊富。貝や小魚が育ち、それを糧にイルカも棲んでいる。初夏、田植えする農家のすぐ横でイルカが跳ねる。

里山 季節のことば

「朧月(おぼろづき)」

春、寒さが和らぎ、湿り気を帯びた夜空に滲んで見える月のことです。
同じように、水蒸気がもたらす日中の風景は霞(かすみ)、夜は朧(おぼろ)。
朧月は春の夜の気配が伝わってくる言葉です。