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特集 ニッポンの里山絶景津々浦々水めぐる命の輝き

2014年9月28日(日) 午後6時45分~7時30分 2015年9月17日(木) 午後3時45~4時30分[再放送]
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人と生きものが共生し、山と海がつながり合う世界恵み豊かな海の里山“里海”に生まれるいのちの多様性を描く

「ニッポンの里山」では「人と自然が調和する美しい空間」を里山と捉え、そこに秘められた共生の知恵や暮らしを紹介してきました。

2014年10月から始まった新シリーズでは漁村や海辺にも注目し、人の営みと共に命の多様性が保たれてきた、いわば海の里山、"里海(さとうみ)"とも呼ばれる世界を、日本を代表する水中写真家・中村 征夫(なかむら いくお)さんと記録していきます。

この特集では海の里山"里海"の映像を中心に、極めつきの絶景や心うつ物語を紹介。里山を世界に紹介した写真家・今森 光彦(いまもりみつひこ)さん、40年に渡って日本各地の海を見つめてきた中村征夫さん、里山里海をこよなく愛する女優・宮崎美子さんが能登半島七尾湾の浜辺に集い、海の里山の世界を伝えます。

出演者:

  • 今森光彦さん(写真家)今森 光彦さん(写真家)
  • 宮崎美子さん(女優)宮崎 美子さん(女優)
  • 中村征夫さん(水中写真家)中村 征夫さん(水中写真家)

写真家・中村征夫が撮(と)り、語る“海の里山”の魅力

水中一筋40年の中村さん、今も新たな発見に驚く日々とのこと。まずは、今回、能登の海で出会った、イルカの家族について?
イルカは結構、大食漢なんです。だから、湾にイルカがいるということは、そこに、獲物となる魚がたくさん生息する、豊かな海だといえるんです。
イルカが住めるというのは、海の"豊かさ"のバロメーターなんですね。
そうなんです。だから、イルカが消えてしまったら、危ういと思っていいかもしれません。
「里山」は、人の手が入ることで"豊かさ"を持続していますが、海の中も、人の手が入ることで豊かになることがあるのですか?
海の場合、"人の手"は、漁師さんたちになりますね。たとえば、海には、地域ごとにいろいろな顔がある。ここ、能登には藻場。南に行くとサンゴ礁、他にも岩礁地帯、砂地とかね。だから、それぞれの地域の漁師さんたちは、その地形をたくみに利用し、そこに住む生き物たちを代々の伝統漁法でうまく捕獲しています。決して、乱獲はしない! そのような漁を行うことによって、"海が耕されている"と言えるんです。
"耕す"って聞くと、なんだか「里山」と海が結びつくようですね。
里山があり、人の暮らしがあり、海にも"里海"がある! これらが、一体になってつながっていることを、番組を見て分かってもらいたいですね。森を粗末にすれば、海が枯れてしまうことも。
番組では、日本各地の伝統漁法が紹介されますが、そこに里山と同じような共生の知恵があるのですか。
広島湾は、カキの養殖、日本一です。里山の栄養が、太田川を通じて、広島湾一帯に流れていくことも、理由の一つです。でも、ここで忘れてはならないのは、漁師さんたちの工夫です。カキを吊り下げるイカダの材料がおもしろい! 海の中だから、金属はダメで、最初は、杉の木とヒノキ。でも、これが結構、波や風に弱い。そして、試行錯誤の末、たどり着いたのは、モウソウ竹です。もちろん、里山で採れる、モウソウ竹。
竹の持つ弾力性が、イカダに最適だったわけですね。
なにより、水中で下から見ると、美しい。自然の美と人口の美がマッチして、すばらしかったなあ!
うーん、放送が待ち遠しい!
番組では、能登ならではのおいしい海の幸が紹介されますが、中村さんのイチオシは「海ぞうめん」だとか! でも、「海ぞうめん」って?
奥能登でも、ほんの一部の海域でしか採れない、とても貴重な海藻なんです。
では、この「海ぞうめん」も、イルカと同様、"豊かさ"のバロメーター?
海藻は、太陽の光を受けて光合成をし、酸素を放出しています。その酸素の充満した藻場に、魚たちが卵を産みにくるわけです。海の手入れが絶対に必要になるんです。

海を見ながら、山のことを思う。山に行っても、海を思う。
ひととき、里山・里海の世界に身を置き、ニッポンの自然と"心"に触れてみませんか。

中村征夫 プロフィール
1945年秋田県昭和町(現・潟上市)生まれ。19歳のとき神奈川県真鶴岬で水中写真を撮るダイバーに出会い、独学で水中写真を始め、31歳でフリーランスとなる。1977年東京湾にはじめて潜り、ヘドロの海で逞(たくま)しく生きる生きものに感動、以降ライフワークとして取り組む。沖縄の開発によるサンゴ礁の滅亡や白化問題、諫早湾の干拓はじめ、海の環境問題に対して映像と文章で訴え、報道番組で生中継を担当するなど、「海の報道写真家」として活躍。出版物、テレビ、ラジオ、講演会とさまざまなメディアを通して海の魅力や海をめぐる人々の営みを伝えている。2009年秋田県潟上市にフォトギャラリーブルーホールを開設。