春編は、墨職人の若者の恋を描いた「恋はももいろ」、筆職人と亡き妻の愛を描いた「愛しき、古」、庭師の片想いを描いた「春、日影の庭」。
3人の職人と3つの春の花が織りなすラブストーリーです。
第1話 「恋はももいろ」 脚本:佐々木 紀子

奈良墨の職人 純一は、フラワーショップに勤めるあすかと奈良公園で知り合う。
純一は墨の師、藤原から教えてもらった万葉集の歌、「春の苑 紅におう桃の花 したでる道に出で立つ乙女」にあすかを重ね合わせる。
そして自分と同じような荒れた手で働くあすかに惹かれていき、あるプレゼントをしようとフラワーショップを訪れる。
しかし、そこで若い男と親しげに話すあすかを目撃してしまう…。
主な配役
純一 役 : 木咲 直人(きのさき なおと)
あすか 役 : 森 絵梨佳(もり えりか)
第2話 「愛しき、古」 脚本:福島 敏朗

仕事一筋の筆作りの職人 梅咲幸夫と、梅と万葉集が好きな、しっかりものの妻千景。しかし千景は病に倒れ、逝ってしまう。
何も手につかず、やつれていく幸夫は、初七日の前夜、小さな和紙に書きつけた、千景が残した言葉をみつける。
千景は、好きな万葉集にちなんだ千枚の言葉、千葉集を家のあちこちに残していた。
幸夫は千枚の言葉を全て探そうと必死になる…。
主な配役
梅咲 幸夫 役 : 海部 剛史(かいべ つよし)
梅咲 千景 役 : 久野 麻子(くの あさこ)
第3話 「春日影の庭」 脚本:橋目 真理子

造園業を営む野坂篤は、妻を早くに亡くしたが、後継ぎの息子啓太と、毒舌をかわしあいながら、庭から庭へと走り回る元気一杯の日々。
まだまだ若いつもりでいる篤の楽しみは、昔から憧れだった小川優子の家の植木の手入れをすること。
しかし優子は息子の転勤のため、カナダに行くことに。「この年で」と気乗りしない優子、ショックを受ける篤。
それでも啓太に励まされ、なんとか優子に元気に旅立ってもらいたいと、篤はガラにもなく万葉集から今の気持ちをこめた一首を贈るが…。
主な配役
野坂 篤 役 : 石倉 三郎(いしくら さぶろう)
小川 優子 役 : 朝比奈 潔子(あさひな きよこ)

応募総数:654件 (H21.1.28発表)
審査:井筒和幸(映画監督)、上野 誠(万葉学者・奈良大学教授)、今井雅子(脚本家)
【佳作】 3篇(順不同)
1. 橋目 真理子 「春日影の庭」
2. 福島 敏朗 「愛しき、古」
3. 佐々木 紀子 「恋はももいろ」 ※今回「最優秀賞」については該当がありませんでした。