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近藤康用と井伊家、今後は…?

小野政次の壮絶な最期、そして堀川城で繰り広げられた地獄絵図のような惨劇。次々と試練が襲い、いまや満身創痍の井伊谷です。そこに深く関わってきたのが井伊谷三人衆の一人である近藤康用でした。この先も直虎、そして井伊家に影響を及ぼすことになりそうな人物・近藤を演じる橋本じゅんさんのインタビューをお届けします。

近藤康用[遠江と三河の境、宇利を拠点とする国衆。徳川家康の今川攻めに参陣し、堀川城攻めで井伊谷を手に入れる。]

恐怖と隣り合わせの戦国時代を生きる人物を…[橋本じゅんさん]

初めて今川の目付として井伊谷に現れたころは、まさか近藤がここまで井伊家を揺るがす存在になるとは思ってもいませんでした。小野政次の最期を描いた第33回の台本が届く前に、政次役の高橋一生くんと、いつものように2人で休憩場所で話していたら、「僕、じゅんさんに殺されるらしいですよ」と言われて、「え!まじ?じゃあ、俺が日本中を敵に回すわけ?!」とびっくりしたほどです。近藤がなぜ政次を陥れるようなことをしたのか。その理由を牢(ろう)にいる政次に語りかけるシーンがありました。そこは、だいぶ前から一生くんと「責任重大だね」「本番では最大限に集中して、僕なりのお別れのお芝居をさせてもらうね」と話し合っていました。処刑シーンは、すべてがここに集約されてきた一つの流れのフィナーレを見る思いで、とにかく見守るという心境でした。

その後、重傷を負った近藤をはからずも直虎が治療するという展開は、僕個人の思いが混在しているところもありますが、複雑なものがありました。「男たるもの!」という意識が強かったであろうあの時代に、女子である直虎に手をさしのべられることに、どんな思いを抱いたのか……。ただ、直虎はそれすらくみ取って言葉を選んでいます。そのあたりから直虎を信頼するようになり、男だったらどれほどの名将になったのかという思いを抱いたんじゃないでしょうか。僕が思うには好きになっていったということでしょうね(笑)。

近藤は無骨で不器用な人なので、深手を負って、これまでのように自由に体を動かせなくなったとき、性格や生き方が変わっていくということもあると思います。今は「最悪!」とばかりに嫌われている近藤ですが(笑)、何か行動し、体験することで人の心の様も変化していく。直虎との出会い、政次をはじめ亡くなっていった人たちの思いも重ねながら、泣いて笑って学んでいく。不器用ながら豊かな人生を生きることになるのではと期待しています。

戦国時代を生きるということは、常に恐怖と隣り合わせで過ごすということでもあったと思います。それでも、花を見てきれいだと思う瞬間もあるし、人と人とのふれあいがとても温かいものであったり、また氷のように冷たいものであったり。時代そのものがエッジだらけだったんだろうなと。そこを生きていた人というイメージを自分なりに一生懸命表現していきたいと思っています。