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瀬名奪還!

松平元康が桶狭間の戦いの後、今川家に反旗を翻したことで、駿府に残された瀬名や子供たちが窮地に陥りました。駆けつけた次郎法師ももはや打つ手がなく…。そこへ猛然と走り込んできたのが元康の使者・石川数正でした。今川方の人質と瀬名たちとの交換を申し出て瀬名たちは無事に岡崎へ旅立ちました。人質交換劇に関わった人たちを紹介します。

[松平元康(徳川家康)]今川家の人質として駿府で少年時代を過ごした。桶狭間の戦いで義元討ち死にの知らせに、すかさず尾張を脱出。岡崎に帰還して織田信長と手を組み今川家に反旗を翻した。
これまでにない新しい家康像を見せたい 阿部サダヲさん

家康はどんなに歴史を知らない方でも知っている人物ですし、歴代の大河ドラマを見ても素晴らしい方々が演じているので、すごくプレッシャーでした。子ども時代の竹千代のお芝居を見てから演じればいいと思っていたら、「13歳からやっていただきます」と言われ(笑)。少し不安になりましたが、瀬名役の菜々緒さんも小さいころから演じられるというので、そこは気にしないというか、みんなでやればという思いになりました(笑)。
竹千代のころから出てくるエピソードで印象に残るのが囲碁打ちです。一人なので自分の分を打ったら反対側に回って打つ。そこまでするというのは、きっといろいろ考えながら打つのが好きで、我慢強い人だったんでしょうね。席を行き来していると、白と黒で同じような図形なので、どこに打ったか全くわからなくなって難しいですが、演じていて興味深いです。
晩年の“たぬき親父”のイメージが強い家康ですが、今回はそれ以前の40歳台までが描かれています。人質時代も長いので雰囲気が違うと思います。竹千代がなかなか懐かないスズメを手なずけるシーンもそうでしたが、待てるだけ待つ「鳴くまで待とう…(ホトトギス)」のような一面が見られます。
瀬名は大きな存在です。二人の掛け合いを演じる上で、菜々緒さんが萎縮せず、やりやすいように叱りやすいようにと思っていたのですが、全く問題ありませんでした(笑)。いつもにらまれたり、きつく言われたりしますが、全然嫌じゃないです。みなさん、それぞれの家康像をお持ちだと思いますが、僕が演じることによって「実はこんな人だったのか」という新しい家康像を見ていただきたいです。

[瀬名]父は今川の重臣・関口親永、母は井伊直平の娘・佐名。今川氏真の妻となることを夢見ていたのに、今川家からは人質の元康に嫁ぐよう命じられる。桶狭間で元康が今川から離反。一時、今川の人質となり命も危ぶまれる。
いい緊張感を持って瀬名として生きたい 菜々緒さん

瀬名を演じるにあたって、いろいろと調べたところ“悪女”だったという説があり、それなら大丈夫かなと(笑)。素直なのか、白黒はっきりしているのか、相手の様子をうかがわずに何でも言ってしまう。とても気持ちのいい女性です。昔の女性は強いイメージがあるので、言葉や態度、行動に出ますが、その奥底に思いやりみたいなものがあると感じていて、微妙な気持ちや秘めた思いをセリフの裏で表現していきたいです。
また、欲深い女性だったとも言われているようです。いい意味で喜怒哀楽が激しく、表情が豊かだったのではないかと思いました。幼いころから今川家を手に入れるという強い気持ちを持った女性でしたから、氏真が別の人と結婚するとなった時の悔しさはどれほどのものだったか。昔も今も女性のそういう気持ちは変わらないと思うので、自分が同じ立場ならこういう表情をするだろうと考えながら演じました。そのシーンを収録後に確認したら、氏真をのろい殺せそうなほどの目つきで怖すぎました(笑)。
夫の松平元康には最初は辛くあたっていたけれど、自分と重なる部分を感じて、彼の長所をとらえることもできる。戦国時代ならではの生きる力を持った女性だと思いました。

[石川数正]家康にとって側近中の側近として信頼を寄せる智将。武功に秀でただけでなく、桶狭間の戦い後に、今川家に人質として囚われの身となっていた瀬名姫らを助け出すなど、交渉能力にもたけた人物。
家康をまっすぐに信頼する懐刀として 中村織央(おずの)さん

実は僕、『おんな城主 直虎』のオーディションに参加させていただき、その後しばらくご連絡もなかったので正直「ダメだったか……」と、あきらめていたんです。それがオファーをいただけて、本当にうれしくて。ところが、石川数正役と聞かされても最初はまったくピンと来なかったんです。徳川家康の家来とは聞きましたが、家来は大勢いるだろうし、そのうちの一人かなと。それで自分で調べて石川数正の家系図を見たら、これは大変だと(笑)。家康にとってここまでの側近だったのかと驚き、それからは連日図書館に通って、いろいろと学びました。ありがたい重圧の中でこの役をしっかりと演じ切ろうと、今は気持ちをより引き締めています。また、数正の生涯を調べるうちに、数正は家康のことを心底好きだったんだろう、とも感じました。自分の大好きな人のためになら命を懸けても惜しくない――そんなまっすぐな、僕なりの石川数正を演じられたらと思っています。
時代劇は初めてなので、所作もいちから勉強のつもりで教えていただいています。当たり前ですが着物を着ての礼儀作法ひとつ、畳の歩き方ひとつ、現代の暮らしでは知りえないことがたくさんあるので、事前に映画を観たりしながら少しずつ体に刷り込むようにしています。乗馬も難しかったですね。瀬名姫たちを救う人質交換の場面では、割と高度な馬との動きが求められたのでかなり緊張したのですが、馬が僕を助けてくれました。