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井伊家のこれから

その1 桶狭間に死す!直盛亡き後の井伊家の男たち

まさかの敗戦で井伊家の当主・直盛が桶狭間に散りました。直盛が奥山孫一郎に遺言として託した井伊家のかじ取りは、驚いたことに直親ではなく中野直由。直盛亡き後の井伊家を守る男たちをご紹介します。

井伊直平 井伊家の先々代当主。昔の戦でできた額に残る向こう傷がトレードマーク。いまなお井伊家家臣団をまとめあげる発言力を持ち、政にも参加。直虎にとって厳しくも優しい曽祖父。

“曽祖父”ですが、一番血気盛んかもね(笑)前田吟さん

僕が演じる直平は直虎(柴咲コウ)の“曾祖父”でしょ、祖父ではなく。杉本哲太さん演じる直盛が“孫”と聞いて最初はちょっと驚いたんです(笑)。直虎が“ひ孫”ですからね。でも僕も、もう73歳。子どもたちは全員巣立ち、孫も5人います。直平が生きていたころは10代前半に結婚することが少なくなかったでしょうから、井伊家のような家族構成も納得はできました。
しかも直平は今川家への敵意をむきだしにしてしまうくらい、老いてなお血気盛んな人。隙(すき)あらば一矢報いようと考えていたりね。もしかしたら、直虎にとってはとても温厚だった父・直盛よりも、曽祖父の直平のほうが性格的には似ているところがあるかもしれません。
年齢的に最近は重厚な演技を求められることもありますが、この役はまるでその対極。直平を演じるにあたっては、若いころに戻ったような気持ちで、元気いっぱい楽しんで撮影させていただいています。むしろ「目立ってやろう」ぐらいの気持ちでね(笑)。直平は、それくらいでちょうどいいと思っています。
大河ドラマにはこれまで、『竜馬がゆく』(1968年)の岡田以蔵役以来、『おんな太閤記』(1981年)、『春日局』(1989年)、『功名が辻』(2006年)と、節目節目で出演させていただいています。今回の『おんな城主 直虎』は、戦国乱世を描きながら今までになく家族愛、人間愛に満ちたストーリーで、これまたすばらしい作品に携わることができ、俳優として幸せだなと思いました。

中野直由 井伊家から分家した家臣で、重鎮のひとり。井伊の血筋への誇りから、小野家に対しては厳しい目を向け、反目し合う面も。直盛亡きあとは井伊家のかじ取り役を任されていくが、それが家中の火種に!?

私、ご当地・静岡県浜松の出身です!筧利夫さん

実は私、井伊谷のあった浜松市の出身ですが、井伊直虎のことは全く知りませんでした。もちろん中野直由という武将についてもです。龍潭寺も僕の実家から車で10~20分ぐらいのところにあるんですけどね。でも、故郷にゆかりの人物を描く大河ドラマに出演させていただけてとても光栄ですし、地元の親兄弟に顔が立つというものです(笑)。 中野直由は井伊家の血縁ですから、やはり井伊家の本家筋の家督を残したいという思いは強かったでしょうね。井伊家に誇りを持って忠誠を尽くす一本気な男です。そして、やや寡黙ではありますが、物事には“白黒”はっきりつけたいタイプなのだと思います。
今回の衣装やカツラは、歴史にも照らしつつスタッフさんとも相談し、少し創作に富んだ印象のスタイルにしていただきました。侍らしさだけでなく、野性味のなかに少し個性も漂うようなね。カツラも髷(まげ)はついていますが、正面から見ると風になびいたような自然な髪形で、直由という人のハードな印象が増してとても気に入っています。
井伊家の人々を演じる皆さんの中に、誰一人として初対面の方はいなかったので、最初から本当に“親族”のような雰囲気でした。小野家の吹越満さん、高橋一生さんともいろいろな作品で共演し、よく知っている仲。対立するのも楽じゃなかったですね(笑)。でも当時の井伊家も、もしかしたらそんな感じだったのかもしれません。非常に近しい中で、敵味方に分かれていたのでしょうからね。

奥山孫一郎 奥山朝利の息子。なつ、しのとは兄妹。井伊家の若き家来のひとりとして、父とともに「桶狭間の戦い」に参戦することに。しのが嫁いだ義弟・直親の背負う悲しき宿命を見守りつつ、側でしっかりと支える。

目標だった大河ドラマへの出演 平山祐介さん

大河ドラマに初出演させていただけて、本当にうれしかったですね。幼いころから日曜の夜は、必ずと言っていいほど大河ドラマを家族みんなで見ていたので、まさか自分が出演し、演じる側になるなんて当時は想像すらしませんでした。俳優になってからは、“いつかは出たい”という大きな目標でした。両親に報告したらとても喜んでくれて、特に母からは「もう撮影は始まってるの?」って、何度も何度も聞かれたくらいです(笑)。
奥山孫一郎について、史料にはわずか一文ぐらいの記録しか残されていないとうかがいました。そのかわり、岡本プロデューサーから“こんな人物ではないか”というお話をお聞きして、あとは僕なりに井伊家家中の皆さんのカラーやキャラクターに入っていくときに、“孫一郎はこんな感じかな”とイメージしながら演じたつもりです。粗野な雰囲気のなかに、奥山家の家督としての育ちのよさ、血筋のよさを感じさせるものが自然と出たらいいなと思っています。
父・朝利役のでんでんさんとは、以前も共演させていただいたことがあるのですが、表裏なくあの雰囲気のままの方。演技のことやプライベートのことなど、まったく同じテンションでお話されていて、そのまま本番に入っていくんです(笑)。それがすごいなと思いました。奥山孫一郎という役を通じて、心が強くひきつけられる俳優の皆さんと大河ドラマの現場で共演させていただけたことは、これからの僕にとっての大きな財産になりそうです。