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堀川城にズームイン

井伊家が治める気賀に建てられた堀川城。龍雲党が中心となって普請を手がけ、瀬戸方久が城代をつとめるこの新城は、まるで湖に浮かぶ港のようです。しかし、この城にも不穏な空気が忍び寄ってきました。この先、どのような運命に巻き込まれることになるのか。戦の影が近づく前に堀川城にズームイン。特徴のある城のセットをご紹介します。 解説:西川彰一(美術統括)

水と風、井伊家のカラーをふんだんに

潮の満ち引きを利用し、満潮時には水に浮かび、干潮時には中州になるという堀川城。このセットの最大の特徴は“水”を中心に設計したこと。もともと水を映像で見せるというのは非常に難しいそうだ。
水はどうしても低い位置にあるため、たとえば庭にある池は上からのぞきこむような映像でない限り、水面が見えることはなかった。そこで、水が大面積に見え、さらに水辺をわたる風や光をふんだんに感じることができる設計にこだわった。
また井伊家のイメージカラーであるえんじ色を各所に配して、井伊家が建てた城としての存在感をアピールしている。

その1 水際すれすれに建つ主殿

湖に張り出した形の主殿は三方を水が囲み、
回廊の位置もできる限り水際に近づけた。

主殿に張り巡らされた一文字幕は井伊家のイメージカラー。
三方を吹き抜けにして開放感を強調している。

その2 人も物資も船で移動

資材や兵糧、また人も満潮時には気賀から船でわたってくる。船着き場と主殿を結ぶ橋は可動式。人がわたるときは下に降ろし、船が通るときは上に上がる「跳ね橋」のような作りになっている。

スタジオにプールのようなビニールベースを設置、そこに船が浮かぶのに必要な量の水を溜めて満潮時の湖に建つ堀川城を再現。水面下には船の動線に合わせてレールを敷き、その上を船が移動していく。

城の中は水路が張り巡らされ兵糧なども奥深くまで船で運び込めるようになっている。

その3 方久の居室

方久の居室は主殿より高い位置にあり、
その下を船が通っていくような造りだ。

室内にはこれまでの方久の屋敷から持ち込んだ調度品を飾り、方久らしいキンキラな世界が再現された。

その4 新築の明るさ、開放感、そして井伊家らしさ

堀川城のあちらこちらに見られるのが形を整えていない原木の状態の柱。これは井伊谷の材木で造られた城ということを象徴的に表すためにとりいれたもので、井伊の焼き印が押された桶も何気なく置かれている。

水辺は風が吹いていることが多い。その風を感じられるように城の中の間仕切りは布の幕などをふんだんに使っている。風になびく幕や光が差し込む城の明るさをさらに際立たせているのがセット全体の色調だ。これまで登場した城はくすんだ“古色”だったが、堀川城はやや生木のような色の“新色”の材料を使うことで新しく建てられた城という雰囲気を表現した。

堀川城の全景の映像には難破船らしき船が城に食い込むような形で残されている。当時はおそらくいたるところに難破船があり、それらは撤去されることなく放置されていたのではないか。そこで、船乗り出身者の多い龍雲党が普請に携わったこともあり、それらをあえて隠すことなく、水辺の現象として当たり前のように見せることにした。