特集

舞台裏舞台裏

お気に入りに追加

“戦う花”に思いを込めて・オープニング映像

直虎から直政へ----井伊家の歴史が新たな季節を迎えようとしています。いま、改めてオープニング映像に込められたテーマや思いをご紹介します。

変幻するオープニング…さまざまな解釈で見ていただけたら

クリエイティブ・ディレクター 古屋 遙

戦国時代、地方の小さな家の領主となった女性が負け続けても生き残るというドラマチックなストーリーに、オープニング映像もこれまでの大河ドラマとは違う新たな視点で取り組みたいと思いました。
井伊直虎は家を存続するために出家、さらに城主となって戦国の世を戦い、力尽きたかと思われながらも大地に根を下ろし、次世代に命のバトンを渡しました。時間とともに姿を変えながらも力強く生きた直虎から直政へ。

そして250年後の直弼まで繋がる井伊家の人々の生き方は、厳しい環境にあっても未来へ種を残すためにたくましく生き延びる植物の生存本能にたとえることができます。その生命力を“花(植物)”だけで描いてみたいと考え、コンセプトを「戦う花」としました。植物は見る人によっていかようにも解釈できるものです。そんな普遍的なモチーフを使って抽象的に表現することで、同じオープニングなのにドラマが進むにつれて別の意味合いを帯びてきたり、違った見方をすることができる。そんな新しいオープニングを目指しました。

オープニング映像には、プラントハンターの西畠清順さんの協力でおよそ30種類の植物をオーディションで選定しました。西畠さんは、種の特性や葉脈にも意味があること、また植物が生き延びるためにどう戦っているのか。そんなさまざまなことを教えていただきました。「植物と人間は同類だよ」とおっしゃった言葉が強く印象に残っています。西畠さんと一緒なら、植物で“生きる意味”や“次世代への種”を描ききれると確信できました。

かなり冒険だと思っていましたが、嬉しかったのは放送が始まってからご覧になった方たちの感想が届くようになったことです。椿の花を武士の象徴としてとらえてくださる方、花言葉に意味を見出す方など、さまざまな解釈をしてくださっている。さらに、回数を重ねるごとに好きになったと言ってくださる方など、オープニングに託したものを受け止めてくださっていました。
いよいよ直虎から虎松へ命のバトンが渡される最終章。オープニング映像にも新たな発見をしていただければ嬉しいですね。

再生と破壊 / 復活と未来へ

新たな始まりの予感、
土地に根を下ろす植物

武器を持ち、
身を守る生命力のあるサボテン

その身を変化させ環境に
適応する架空の花「直虎の花」

厳しい環境の中に咲く雪割草

戦の予感、馬に蹴られるすみれ草

生命力の強いタンポポが
一度は枯れ果てる

7回かまどに入れても
燃えないナナカマド

衰退と敗北のなか、あきらめることなく
椿の集団が矢に立ち向かう…
花と武器の戦い

ひとひらのの花びらが
新たに芽吹いた
命のもとを漂い消えていく

ススキは洪水や山火事にも
根を残しいち早く再生。
成長の速さとたくましい生命力を表現

逆境に耐え忍び、新たな季節を迎え、
一度は失われたかに見えた命が復活、
未来への種のバトンを繋げる様を
快活に描いている