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才気あふれる万千代像を!前編 [井伊万千代役・菅田将暉さん]

初時代劇、初大河ドラマ

時代劇自体が初めてなので、現代とは大きく違う体の使い方にはすぐに慣れることができませんでした。お辞儀ひとつにしても首からではなくて胸から降ろすなど、所作や仕草など基本的なところから教えていただき、クランクインから1か月ほどでようやく体になじんできたところです。所作指導の先生からも、ようやく「お辞儀がきれいになってきたわね」と言っていただけました。

万千代を演じるにあたっては、台本を読むまでは漠然とパーフェクトなかっこよさをイメージしていたんです。ところが、ふたを開けてみると“とんでもないヤツ”で・・・(笑)。クランクインしてからは、一度失った井伊の家名をふたたび自分が勝ち取り、成り上がってやろうという圧倒的なバイタリティを感じながら演じています。15歳の純粋さで、目的のためになりふり構わず怒鳴り散らせる万千代を演じるのは、すごく気持ちいいですね。

言うまでもありませんが脚本は面白いですし、演出もエンターテインメントな作り方で楽しいですね。「やりすぎちゃうくらいやって、こちらでセーブします」と監督がおっしゃってくださったので、思う存分演じさせていただいています(笑)。

バトンタッチ

子ども時代を演じた寺田心くんから成長して、僕の演じる万千代が登場したわけですが、以前から心くんの力強くまっすぐなところが、虎松役にぴったりだなと感じていました。普段から芯がある子で、自分の行動や発言に責任を持っている。そんな彼から「バトンタッチですよ」っていわれて。胸を借りるような気持ちでハイタッチしたのを覚えています。

僕が演じる部分の万千代(虎松)は気持ちがすぐ行動に出てしまう分かりやすいタイプ。腹が立つとすぐ般若顔にもなったりね(笑)。でも、それは客観的に見るとかわいかったり、笑えたりするチャーミングさにつながります。そういう狙いではない部分での魅力と天然要素の賢さを、心くんのお芝居も含めて引き継いでいけたらと思っています。

いわゆるつぶれた家の子である万千代は、マイナスから出発し、努力を重ねて井伊家を再興させていきます。天才肌的なキャラクターなので、どんなに苦境に立たされても知恵と工夫で乗り切っていくのですが、こういう人物を演じるときは、ギミックが大切で、僕自身が放たなければいけないオーラと、その人物が何をするかというのがとても重要なんです。そういう意味では今回、台本がギミックだらけなので、僕自身、一回解ききったテストを何回も見直すように、台本やお芝居を見直すことがクセになっています。

また、第六感を働かせたり、機転を利かせる部分も秀でています。普通の人が感じないところに違和感を覚え、大胆な行動力で手柄につなげる。努力の人である一方、そんな才気あふれる様が見ている人に伝わればいいなと思っています。

ワクワクしながら演じています

万千代はマイナスの状態からはい上がっていく男ですから、このタイミングの僕に役をオファーいただいたことは、「慢心せずに、まだ頑張らなきゃ」と尻をたたかれているような気がしています。

演じることが決まって調べたのですが、井伊直政(万千代)は徳川四天王のなかでもダントツに若いんですね。戦場では鬼のような戦いぶりで井伊の赤備えとして知られ、外交面でも頭脳明晰で活躍したとか・・・。歴史なので結果論ではありますが、残されている記録を振り返ると、どれもかっこよく、容姿端麗とまで言われているんですよ。その反面、執念深いところがあり、ちょっとしたことを根に持ったり、目下の者に厳しかったようです。

そうした記録に残る直政に至るまで、どのような過程を経たのか。僕自身、知りたくなりましたし、演じる上でも一番面白いポイントなのではないかと思っています。脚本の森下さん、プロデューサーの岡本さんはじめ、チームのみなさんが、才能と家格だけでのし上がっていったのではない、泥臭くてカッコ悪い部分まで描いてくださっています。ですから僕も、ひとつひとつの試練や難題を乗り越えて学び、大人物になっていく様をワクワクしながら演じたいですね。

後編に続く