土曜ドラマ「鉄の骨」2010年7月3日(土)[総合]夜9時スタート【全5回】

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平太のキーワード解説

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2005年

このドラマは、2005年から2006年にかけての建設業界を描いています。
規制緩和の流れの中で、公共工事が激減して苦しい経営状態に陥るゼネコンが少なくありませんでした。一方で独占禁止法が改正され、談合に対する取り締まりが一層厳しくなって行った時期でもあります。

第3回放送
ジョイント・ベンチャー(JV)

地下鉄のような大規模工事を受注する場合は、複数の建設業者が集まって共同組織を結成することが多々あります。これを「ジョイント・ベンチャー(JV)」または「共同企業体」と言います。
大規模工事の多くは、発注官庁がJV結成を入札参加の条件としています。そのためゼネコンは、その工事分野を得意とする他社とJVを構成するのです。

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第3回放送
談合決別宣言

ドラマで描いている「談合決別の記者会見」は、フィクションです。
実際には、改正独禁法施行直前の2005年末に、建設業界の主要団体が連名で「談合に関与せず、公正な競争を推進する」旨を申し合わせる内部文書を出し、各建設業者に周知したと言われています。これが「談合決別宣言」「脱談合宣言」などと呼ばれています。宣言の後、談合は急激に減って行くことになります。

シールドマシン

シールドマシンは、地下鉄や地下道のトンネルを掘削(くっさく)する「シールド工事」で用いられる掘削機です。工事ごとに特注される大型の機械で、多くは円筒状の形をしています。
地下鉄工事でシールド工事を行なう場合、まず「タテ坑」と呼ばれる縦方向の穴を掘り、そこからシールドマシンを搬入します。(タテ坑はのちに、駅部分となります)。シールドマシンの先端面は「カッターヘッド」と呼ばれ、“おろし金”のような細かい刃が放射状に並んでいます。このカッターヘッドが回転することで、シールドマシンは地面を横に掘り進んで行くのです。

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第3回放送
工区

地下鉄工事は、駅と駅の間のトンネルをつくる「シールド工事」と、駅舎をつくる「駅築造工事」に大別されます。
そして、巨額の地下鉄工事を発注する際は、複数の「工区」(=工事区域)に分けて入札を行なうのが通例です。
工区は、「一駅分のシールド工事を行なう工区」「一駅の築造を行なう工区」といったシンプルな分け方もあれば、「シールド工事一駅分および築造工事一駅分を行なう工区」というふうに組み合わせる分け方もあります。ドラマでは後者のように、「シールド工事と築造工事を組み合わせた大規模工区」という設定にしています。

天下りOB

かつてのゼネコンには、各官庁からの「天下り」が何人もいました。
談合する場合、彼らが古巣から何らかの形で入札情報を入手し、営業現場に伝えることも少なくなかったと言います。

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第2回放送
指名

公共工事の入札には、役所が建設会社を指名する「指名競争入札」と、参加条件を満たせばどの会社でも参加できる「一般競争入札」があります。
2005年頃まで、公共工事は指名競争入札が主流でした。「技術、財務などの面で信頼できる会社を選ぶため」という趣旨ですが、「運用次第では、いつも同じ建設会社たちが指名を受け、談合を誘発する恐れがある」との指摘もありました。

下請けの系列化

ゼネコンが工事を施工する場合、型枠・舗装などの各工程を様々な「下請け業者」が分業して行ないます。
ゼネコンごとに、定番の下請業者が言わば「系列化」しており、ドラマ中の「一谷親和会」のように系列の親睦団体も数多く存在します。そのためかつては、下請け業者は系列以外の仕事を引受けづらい状況にあったと言います。
ドラマの中で、「トキワ土建の舗装を引受けた下請けがいる」と物議をかもす背景には、以上のような事情があります。

独禁法改正 / リーニエンシー

2005年4月、独占禁止法の改正案が国会で可決されました。 ポイントは以下の4つ。

(1)談合罪に対する課徴金の大幅な引き上げ
(2)リーニエンシー(課徴金減免制度)
(3)公正取引委員会に犯則調査権を付与
(4)審判手続の見直し

特徴的なのは、(2)のリーニエンシーです。談合していることを自主的に公正取引委員会に申告した企業には、課徴金を免除・または減額するという制度です。日本には珍しい、「司法取引」的な制度とも言えます。
改正独禁法は、2006年1月に施行され、談合に対する取り締まりが一層厳しくなって行きました。

不調

入札において、各社の入札金額がどれも予定価格(官庁が設定している受注上限価格)を下回らず、落札できないことを「不調」と言います。
ドラマで描いているように、入札はその場でやり直しとなり、不調が3回続くと入札不成立となります。

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第1回放送
談合課

ゼネコンには営業課が数多くあります。そのうち公共工事の入札を担当する課は、2005年頃まで犯罪行為である談合と背中合せにあったため、ひそかに「談合課」と噂されていました。他の課からはその詳細がうかがい知れない存在でしたが、会社の業績を左右する非常に重要な部署でもありました。

2000年以降、公共工事は激減して行きました。少なくなった仕事を分け合う中で、入札を巡る駆け引きは厳しさを増して行ったと言われています。

建築と土木

そもそも建設業は、「建築」と「土木」に大別されます。

土木・・・道路、橋梁、護岸、地下鉄など、土中の工事や土中に大きな基礎をつくる工事のこと。俗に「地面の下」と言われる。

建築・・・住宅、マンション、オフィスビル、学校など建物をつくる工事のこと。俗に「地面の上」と言われる。

一谷組のようなゼネコンも、会社組織が建築部門と土木部門に分かれています。
両者は人材も売上計算も分離しており、「まるで別の会社」とも言われます。

土木部門は、公共工事の占める割合が大きく、一定の利益率を確保していました。談合入札を行なっていたことが、その一因と言われています。
一方、民間工事の多い建築部門は利益率が低く、価格競争で赤字受注になることも少なくありませんでした。

談合はどんなシステムなの?

(1)

公共事業の発注者である官庁が、入札参加業者を「指名」する。

(2)

指名された各社の入札担当者たちで構成される「談合組織」が、話し合いによる談合を行なう。
「汗かき」と呼ばれる、各社の受注努力を聞いた上で、これまでの実績・バランスなども考慮し、落札予定業者=「チャンピオン」を決める。
彼らは「談合」のことを「調整」と呼んでいた、と言われています。

(3)

チャンピオンが、各社の入札価格を決める。
チャンピオンは、自社が一番安く、かつ利益を出すべく出来るだけ高い価格になるよう金額を割り振ります。
ここで気をつけなければいけないのは、官庁が設定する受注上限価格=「予定価格」です。これを下回らなければ落札できません。そこで、チャンピオンは情報収集をして予定価格を探り、なるべく予定価格に近い額で落札できるよう、金額を割り振っていたと言います。

仕切り役/ボス

談合担当者のうち、談合組織を取りまとめる人を「仕切り役」と言い、「ボス」などの隠語で呼ばれていました。話し合いで結論が出ない場合は、仕切り役が最終決定を下していたと言われています。

積算

材料費・機械経費・人件費などを積み上げ、工事全体のコスト計算をすること。
たとえ談合する場合でも、企業努力でどこまでコストダウンできるかは重要な要素となっていました。

設計図書

公共工事は、発注官庁が発行する設計図面と仕様書にもとづいて施工されます。これを「設計図書」と言います。談合している場合、チャンピオン以外の会社にとって設計図書は重要ではありません。逆にチャンピオンの会社は、設計図書を正式に渡される前から設計情報を入手し、事前に積算準備に入ることもあったと言われています。

名刺配り

2000年以降、世間の談合に対する眼が厳しくなると、官庁は「業者に入札情報を漏らしている」と疑われないよう、ゼネコンの営業マンに会うのを避けるようになったと言います。名刺を入れる箱だけ用意して一切部屋に入れない、という役所も増えていきました。

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鉄の骨特集
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