談合を扱ったドラマは珍しい。今まで殆ど採り上げられて来なかった。
それには理由があって、談合の実態は隠され続けてきたからだ。今回もスタッフが八方手を尽くして調べたが、判ったのは大まかな事だけで詳細はよく見えない。
具体的なディテールの積み重ねがドラマの必須条件だから、この情報不足は困りものだ。貧しい想像力で補うしかない。
そこでやっと談合ドラマが少ない理由に思い至ったが、既に走り出しており止めるのは不可能、手遅れだった。
ドラマを考え始めた当初はその犯罪性ゆえ、談合は善か悪か、談合に代わる入札の方法論があるか否か等に頭が行っていたが、途中からそんな単純な二分法で片付けられる素材ではないと気が付いた。
又このように複雑怪奇で迷路のように入り組んでいる談合という代物は、我々日本人の縮図なのだった。
大半の登場人物が中高年の男性になった。大勢のおじさんたちがこの答えの見えにくい物語と格闘する。
たった一人、中高年男性たちのバトルにもみくちゃにされる我が主人公・富島平太が、複雑で閉塞した談合世界に一筋の光明を見出してくれていたら幸いである。
それが同時に答えの見えない現在の日本を懸命に生き抜く若者たちへのエールのように映れば、談合と半年渡り合った僕の苦悶の日々も癒されるかも知れない。 |