「“沈黙のメッセージ”にあえてフィクションの形で迫りたい」柳川 強

このドラマは、BC級戦犯として連合国に裁かれた“ある男の手記”にもとづいています。昭和20年8月10日の捕虜処刑事件、戦犯裁判に対する納得のいかぬ思い、逃亡に至る過程、多治見での潜伏生活、徐々に押し寄せてくる良心の呵責・・、克明に書かれた手記でしたが、大切な事が一つ書かれていないのが気になりました。

それは、「絞首刑」とは違う判決を出された時の“想い”でした。私は、この手記に触れた時に「このような克明な手記を残したのは何故だろう?」と共に、「何故、“その時の想い”を書かなかったのだろう?」と疑問を持ちました・・。その疑問が、このドラマの出発点だったような気がします・・。

私は「書かなかった事」が、この“ある男”・左田野修さんのメッセージだと思います。この「沈黙のメッセージ」にあえてフィクションの形で迫ろうというのが、このドラマの大きなテーマです。

脚本の鄭義信さん、主演のARATAさん共々、「戦争を知らない世代」の私達ですが、「叙情詩」ではなく「叙事詩」として、“男の想い”に肉薄しようと努めました。とくとご覧下さい・・。

NHKにおける個人情報保護について | NHK著作権保護 | NHKオンライン 利用上のご注意

Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved.許可なく転載を禁じます。

NHK名古屋放送局へ