日の丸旅客機 世界の空へ
~MRJは地域を潤すか~

今、アメリカ・シアトル郊外で開発の最終段階にあたる飛行試験が進められています。
MRJは安全性などのチェックを終え、予定では2年後に航空会社に納入されて、世界の空を飛ぶようになるとされています。
しかし、思い通りには進んでいません。MRJは開発スケジュールの遅れが問題となっています。その要因のひとつが、取材によって浮き彫りとなってきました。

国産旅客機といっても、MRJの部品の7割が海外の部品ということです。国産の部品を多く使うには、「経験と信頼」が求められます。
日本は50年間、旅客機を作っておらず、大きなブランクがあります。旅客機の部品は、独自の高い基準が求められるので、経験不足から、それに応えられるメーカーはまだ少ない状況です。


さらに、知名度が低いMRJを買ってもらうには海外の航空会社から信頼を得ることが最も重要です。まずは、実績のある海外製の部品を使わないと、安心してMRJを買ってくれません。そのため、当面は海外の部品に頼らざるを得ません。
こうした状況を変えるためには、確実に量産化の態勢を整えることです。そうなれば、技術がある日本の企業がどんどん参入して、商品のレベルも高まって国産化が進む可能性があります。


航空機の部品は1機100万点、自動車が3万点と裾野の広さは桁違いです。この点で、自動車を超える次世代の産業としても期待されています。こうした可能性を見据えて積極的に動き出した中小企業も現れています。

航空機の部品作りに連携して携わろうとしている企業は、MRJの工場がある東海地方以外にも、全国、28都道府県に広がっています。
すでに量産化に向けて一部で製造も始まっています。航空産業は大きな投資が必要な面もありますが、一度参入を果たせば、安定的に受注が確保できるため、期待につながっています。


国の新たな産業としての可能性を秘めているだけに製造元の三菱航空機、それに部品メーカーもトラブルをおそれず粘り強く開発を進め、成功までたどり着いてほしいと思います。

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