-「黒川真治」という役どころについてどう思いますか?
ARATA:黒川は、梅さんの恋人を殺害し、18年の刑を終えて出所。自分が刑務所に入ったのも大きな闇を抱いてしまったのも全て、家庭での虐待、職場でのいじめ、信じていた人間からの裏切りと思い込み、復讐に取り憑かれた男を演じました。
【愛を求める男】
黒川は、不幸な事に、もしかしたら誰よりも一途に、人間のあたたかみや愛というものを求めているのではないでしょうか。黒川の行動を肯定する事はできませんが、愛を求める姿が、純粋すぎるというか、動物的というか、もっとも人間らしいのではないかと。黒川の闇は理解しがたいように映りますが、実は、誰もが持つ闇の部分が人よりも大きいのであって、凶悪な殺人者のようなマインドを持っている犯人とは異なるように思いました。現代社会に巣食う大きな闇を映した存在なのだろうと。
人間には闇を押さえるための理性がありますが、その理性こそ傷つきやすくて壊れやすいものではないでしょうか。偽善的な理性や抱える闇が大きければ大きいほど、黒川のように壊れた時の反動が大きくなるのではないでしょうか。
【梅木は最も黒川を理解してくれる存在】
愛情は憎しみに変わるし、黒川のように憎しみが愛情にも変わる。
梅さんの復讐心が黒川に向けられた結果、黒川は憎しみという感情で初めて人間と対峙できました。それが復讐心であれ何であれ、梅さんが誰よりも黒川と向き合ってくれたからこそ、憎しみを通り越して愛情を感じるほど価値のある、特別な存在になったのではないでしょうか。
それを象徴するシーンは、愛に飢えた黒川がビルの屋上で梅木と電話をしながら涙を流すシーン(第4回放送)。18年間自分と同じように不幸を味わい、たとえ復讐心だとしても、自分を想ってくれていた人がいたという事実に、得も言われぬ喜びを感じてたからこその涙だと思います。
黒川にとって梅さんは、最も自分の事を理解してくれる存在、だからこそ愛おしいのではないでしょうか。
-黒川の役作りで気を配った点はどこですか?
ARATA:黒川という人間を表現するにあたって、わかりやすいキャラクターだからこそ、ただ狂気に走った人間として描くのではなく、抱える闇の大きさは理解しがたいほど深いものにしようと思いました。誰からも共感されてはいけないほどの深い深い闇に。しんどかったけど、役者冥利に尽きるやりがいのある役でした。
-黒川のスタイリングは、ARATAさんご自身がされましたと伺いましたが。
ARATA:スタイリングについては、NHKスペシャル『最後の戦犯』(2008年放送)の時にもお世話になり、絶大な信頼を寄せている“衣装部のお父さん”こと内海さんと、自分の私物などを織り交ぜながら細かく決めていきました。
着たい服を着て芝居ができると自然とテンションも上がります。おかげで、黒川という役柄を最高の状態で最後まで走り抜けられました。本当に感謝です。
-名古屋の収録現場の様子や、他の出演者への印象はいかがでしたか?
ARATA:このドラマは重量感のある内容ですが、撮影現場にはそれぞれの部署から、クリエイティブな良い空気が流れていて、居心地が良かったです。なかでも撮影部のカメラワークのセンスは光っていました。だからこそ、安心して自由に芝居に集中できました。
第4回・最終回での出演にも関わらず、武田さん、森山君、加藤さん、そしてモロ師岡さんをはじめ、多くの共演者の方々とセッションできた事はありがたく、嬉しく思っています。とても貴重な良い経験になりました。
-ARATAさんから視聴者のみなさんに、最終回の見どころをどうぞ!
ARATA:愛を抱き憎しみに染まった梅さんと啓吾、憎しみに燃え愛を求める黒川。表裏一体の3人がそれぞれどのような結末へと向かって行くのか?!そして“茉莉亜様”は!?このドラマが提示してきた、“善と悪”“愛と憎しみ”の総括となる最終回です。瞬きする暇もないほどの展開に、最後まで楽しんでいただければと思っています。
NHK名古屋制作 NHKスペシャル「最後の戦犯」(2008年放送・第46回ギャラクシー賞<テレビ部門>奨励賞受賞)の再放送が決定しました!
8月15日(土)BS-hi 午前10:00~11:29
HP:http://www.nhk.or.jp/nagoya/senpan/
戦争犯罪に問われ3年半に及び逃亡生活を送る主役「吉村修」を演じきったのがARATAさんです。「黒川真治」とはちがうARATAさんの魅力満載です!ぜひ、ご覧ください!


![2009年7月11日~8月8日 [毎週土曜・全5回] 【総合・デジタル総合】後9:00~9:53 【BS-hi】後6:00~6:53](../images/txt_right.gif)