みどころ

少年たちは、祖国のために夢を捨てた。
太平洋戦争末期、昭和18年(1943年)7月5日。愛知一中の決起集会で、
全校生徒700人が戦争に行くことを決めた。エリート中学生のこの決断は大々的に報道され、
全国の少年たちの心を戦場へと突き動かした。だがその裏には、
中学生を戦場に送ることによって兵士不足を解消したい軍部の思惑があった。
軍部が学校に圧力をかけ、中学生を「軍国少年」に変えていった真実が今、明らかになる。

戦争に飲み込まれていく少年たちの青春、夢や友情、そして、少年たちを戦場へ送らざるを得なかった
教師や親達の苦悩や葛藤、時代に翻弄されていく人間たちを鮮烈に、詩情豊かに描いていく。
戦後65年目を迎える2010年のNHKスペシャル終戦特集ドラマ。
全国屈指の進学校・旧制愛知一中であった実話に基づいてドラマ化。

◇原案「積乱雲の彼方に――愛知一中予科練総決起事件の記録」

「積乱雲の彼方に」の著者・江藤千秋氏(平成15年没)は昭和3年名古屋市に生まれ、昭和16年に愛知一中に入学。
昭和18年、3年生の時に、このドラマで描かれる「総決起事件」に遭遇した当事者である。
江藤氏自身も甲飛生に志願したが、視力不足で試験に合格せず、その後は軍需工場での兵器製造に携わり、
終戦時には名古屋工業専門学校(現・名古屋工業大学)の学生だった。
戦後、江藤氏は高校の教師となり母校に赴任。昭和18年になぜ、どのようにしてあのようなことが起きたのかを
克明に記録しようと思い立ち、当時の教師や戦場で命を落とした級友の遺族から証言を集め、
残された日記や資料などを調べ上げて「積乱雲の彼方に」を書き上げた。

◇名古屋局制作 終戦特集ドラマ第4弾

これまでNHK名古屋放送局では、NHKスペシャルの終戦特集ドラマを制作してきた。
●「鬼太郎が見た玉砕~水木しげるの戦争~」(H19年8月放送) http://www.nhk.or.jp/nagoya/kitaro/
●「最後の戦犯」(H20年12月放送) http://www.nhk.or.jp/nagoya/senpan/
●「気骨の判決」(H21年8月放送) http://www.nhk.or.jp/nagoya/kikotsu/
今回は第4弾。名古屋局が地元・名古屋のことを取りあげるため、よりきめ細かい取材に基づいたドラマとなる。