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弁護士と考える消費者問題(愛知県弁護士会)

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弁護士と考える消費者問題(愛知県弁護士会)

第12回「食の安全」 3月6日放送

今回は、愛知県弁護士会の柴田幸正さんにお話を聞きます。

アナウンサー

これまでお金をめぐる消費者問題を取り上げてきましたが、今回は食べ物についての消費者問題ということですが、どういうことでしょうか。

弁護士

例えば、お刺身のような生ものの消費期限が実際よりも長く偽装されていれば、その生ものを口にした消費者の皆さんに食中毒が起こるおそれもありますし、アレルギー反応を起こす食品の表示がきちんとされていなければ、それを口にした消費者がショックを起こして命の危険にさらされるおそれもありますね。あるいは、痩せる、便秘が治るなどといったうたい文句を信用して健康食品を購入したけれども、そのような効果が出ないどころか、取りすぎで体を壊してしまった・・・ということも考えられます。私たちが口にする食品が安心安全なものでなければ、金銭的な被害もそうですが、私たちの健康そのものが被害を受ける危険もあります。
このように、食の安全というのは、私たちの健康にかかわる最も切実な消費者問題、ということもできると思います。

アナウンサー

なるほど。では、食の安全を守るための法律は何かあるのでしょうか。

弁護士

食の安全を守る法律には、非常に多くの種類があります。例えば、食品表示法は、2015年4月1日から施行されたばかりの新しい法律ですが、食品表示の一般的な基準を定めています。そのほか、食品衛生法、景品表示法、JAS法、健康増進法など、食の安全を守るために非常に多くの法律が用意されています。

アナウンサー

なるほど。法律がたくさんあると聞くと、安心してしまうのですが、実際のところ、食の安全が脅かされるような事件も起きてますよね。

弁護士

はい。例えば、学校給食や外食のお店で食中毒が起きた、というニュースを耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。また、食物アレルギー症状を引き起こす食品のことをアレルゲンと言いますが、そうしたアレルゲン表示がきちんとされていないと、アレルギー疾患を持っている消費者がアレルゲンを含まない食品を適切に選べなくなります。昨年でも、あるコンビニチェーンで、卵の表示が抜けていたというニュースがありました。
また、記憶に新しいものとしては、カレーチェーン店で在庫として残ってしまって廃棄されるはずの冷凍カツが、廃棄業者によって廃棄されずに転売されてしまい、スーパーの店頭で他の商品と一緒に販売されていた、という事件もありましたね。

アナウンサー

そうですね。そういった中で、消費者としては食品を買うとき、どういう点に気を付ければよいのでしょうか。

弁護士

まずは、食品表示の欄をきちんと確認していただきたいですね。アレルゲン表示をきちんと確認しないと、アレルギー症状をお持ちの方は安心して食事を取れませんし、消費期限に余裕のある食品かどうか、原産地や原材料の表示におかしな点が無いかどうかなど、食品表示を確認することが第一歩です。そして、生食用でないものを生で食べたりせず、よく火を通すなどして、調理方法を間違えないことも大切ですね。

アナウンサー

そのほかに気を付けることはありますか。

弁護士

今、食品表示を確認しましょうと言いましたが、その一方で、自分に都合の良い表示をうのみにしない、ということも大切だと思います。先ほど紹介した食品表示法によって、機能性表示食品という新しい制度ができましたが、効果効能の表示だけを見て取り方を間違えてしまい、逆に体に良くないということもあります。

アナウンサー

機能性表示食品ですか。トクホ、特定保健用食品などとは何か違うのですか。

弁護士

確かに、機能性表示食品はトクホとの違いが分かりにくいかもしれませんね。機能性表示食品は、消費者庁が定めた一定のルールに従って、事業者が科学的根拠に従ったデータを消費者庁に届け出れば、「脂肪の吸収を抑える」とか「おなかの調子をすっきり整えたい方へ」などといった一定の効果を食品に表示できる、というものです。ただし、トクホは、消費者庁の許可が必要なのに対して、機能性表示食品は、トクホよりも規制が緩やかな届出で足りるとされているため、本当に正しいデータに従った表示どおりの効果があるのか、といった指摘がされることもあります。効果についての表示だけをうのみにしてしまい、取りすぎなどで逆に体に良くないということもあります。

アナウンサー

なるほど、食品表示も良いところだけを見ていてはいけませんね。さっそく気を付けるようにします。

弁護士

そうですね。食品表示には効果効能については大きく、リスクは小さく表示されることも多いため、普段から表示に気を付けたいですね。もし万が一、被害に遭われたような場合には、保健所などの公的機関のほか、消費者問題の専門家である弁護士にもぜひご相談いただきたいと思います。

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