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シニアのための法律知識

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第7回「高齢者の住まい」 9月28日放送

 今回は、「高齢者の住まい」について、愛知県弁護士会の弁護士、柴田幸正さんにお話を伺います。

アナウンサー

 高齢者の住まい、ということですが、なぜ高齢者の住まいと法律が関係してくるのでしょうか。

弁護士

 一口に高齢者の住まいといっても、自分の持ち家、借家に住むだけでなく、高齢者のための住居施設、例えば賃貸住宅だけれども見守り安全サービス等が付いたものから、介護サービスを受けることが中心のいわゆる介護施設というものまで、 いろいろな種類があります。
 このように住居の種類は様々ですので、入居時にサービス内容等の説明がきちんとされていないとか、退去するときに保証金が返ってこないといった、法律的なトラブルも起こり得るのです。

アナウンサー

 なるほど。高齢者の住まいにはいろいろな種類がある、ということですが、具体的に、どういったものがあるのでしょうか。

弁護士

 大きく分けると、お住まいになる高齢者の方が介護を必要とする度合いによって、通常の住居に近いものと、まさに介護施設というものとに分かれます。

アナウンサー

 通常の住居に近い住まいにはどんなものがあるのですか。

弁護士

 通常の住居に近いものとしては、サービス付き高齢者向け住宅と、シルバーハウジングというものがあり、前者は民間賃貸住宅、後者は公共賃貸住宅です。
 これらの住まいはバリアフリー構造などの設備を備えた住宅で、通常の住宅と違うのは生活全般について相談できるサービスや安否確認をしてもらうサービスを受けられます。

アナウンサー

 介護施設といえる住まいには、どんなものがあるのですか。

弁護士

 特別養護老人ホーム、老人保健施設、認知症対応型グループホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホームなどがあります。
 どの程度介護が必要か、医療を受ける必要がどの程度あるかなど、入所する人の状態に応じて適切な施設を選ぶ必要があります。

アナウンサー

 なるほど、いろんな種類があるんですね。そうやってたくさんの高齢者向けの住まいが出来ると、利用する側にとっては選択肢が増えてとても便利に思えるのですが、何か注意しなければならないポイントはあるのでしょうか。

弁護士

高齢者ご自身の人生設計に合った施設を選ぶことが重要であると思います。  高齢者の場合、個人差はありますが徐々に心身に衰えが生じることは避けられません。 そのような場合に、転居をしたいのか、したくないのかなど、ご自身の将来の希望と費用の点を検討する必要があると思います。

アナウンサー

 なるべく将来、施設を替わりたくない場合はどんなことを注意して施設を選ぶと良いのですか?

弁護士

 病気のために医療サービスが必要となった場合に、施設を替わる必要が生じることが多いです。
 なるべく施設を替わらないようにするためには、その施設で医療サービスが受けられる体制が調っているかどうかを確認しておくことが重要となります。
 また、比較的要介護度の低い高齢者の方が入居される住宅型の住まいでは、要介護度が高まった場合に備えて、居宅介護サービスを受けられる施設か、必ずチェックをしましょう。

アナウンサー

 安全な住まいかどうか、長く住み続けられるかどうか、これは高齢者の皆さんにとっては切実な問題ですね。もう一つ伺いたいのは、住まいに入居する際には、契約書を取り交わすのが一般的ですが、契約書の取り交わしにあたって、何か注意しなければならないことはありますか?

弁護士

 そうですね。契約する際には、受けられるサービスの内容、身元保証人が要るかどうか、身元保証人がどういう責任を負うか、入居一時金はどういう場合に幾らぐらい返還されるのか、といった点に注意すると良いと思います。

アナウンサー

 入居一時金とはどういうものですか。

弁護士

 入居時に施設に納めるお金です。入居一時金については、平成23年の高齢者住まい法の改正によって、礼金のように返還されないお金として受け取ってはならないこととされていますので、必ず確認しておきたいですね。あくまで家賃などの前払として位置づけられますので、入居後比較的早い時期に退去する場合には一部が返還されることになります。

アナウンサー

 その他に入居の契約の際に注意すべき点はありますか。

弁護士

 契約する際に受け取ったパンフレットや事前の説明と実際のサービスが違う、という場合には、消費者契約法に基づく契約の取消しなどもできるかも知れません。
 いずれにしても、高齢者やそのご家族の方だけでは、なかなか判断が出来ないことが多いので、早めに専門家のアドバイスをもらったうえで契約すると安心ですね。

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