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KYジャーナル「相続準備 デジタル遺産にも注意!」

2023年1月13日

あえて空気を読まず、働く女性の視点から、
社会に切り込む、山本恵子解説委員(Keiko Yamamoto)の「KYジャーナル」。
今回は、相続手続き特集第2弾として、手続きが楽になる魔法の一枚「法定相続情報一覧図」、そして、気をつけなくてはならない「デジタル遺産」についてお伝えします。

(NHK名古屋 解説委員 山本恵子)

11月に相続手続きについて放送したところ、「手続きの一部をまとめた一覧がほしい」というご要望を多くいただきました。こちらからダウンロードできますので、ぜひ参考にしてください。(手続きは人によって必要なもの、そろえる書類も異なりますので、手続きする役所、金融機関に確認ください)

※画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

相続手続き、できなかったらどうするの?

また、「こんなたくさんの手続き、できなかったらどうするの?」という質問もいただきました。手続きは、例えば、死亡届を提出しないと火葬の許可がもらえない、とか、年金の受給停止の手続きには死亡届が必要、など、手続きをしないと次の手続きができないものがあります。また、相続税の申告などは期限までに手続きしないと延滞税などがかかる場合があるため、手続きは進めなくてはならないことになっています。

ただ、たくさんの手続きは「一人でできないのでは」と不安な人もいらっしゃると思います。 自治体の中には、家族を亡くした方、特に高齢の方が、いくつもの窓口を回るのは負担が大きいと「おくやみ窓口」を設けて、ワンストップで手続きを行っているところも増えています。
「できない」、「間に合わない」という場合は、まずは自治体や年金事務所、税務署などの手続き先に相談してください。また、費用はかかりますが、司法書士や税理士、行政書士、弁護士などの専門家に代行してもらうこともできます。

魔法の一枚!?法定相続情報一覧図

金融機関での相続手続きや相続税の申告などには、生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本や、相続する人全員の戸籍謄本が必要で、手続きごとにそろえるのが大変、と思われた方もいると思います。
実は、一枚で代わりになる、魔法の書類があるんです。それが「法定相続情報一覧図」です。名前のとおり、法務局が相続する人は誰かを証明したものです。

図は自分で作成して、必要な書類をそろえて法務局に提出する必要がありますが、発行してもらうと、金融機関や相続税の申告などで、
▼生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本
▼相続人全員の戸籍謄本
をそろえなくてもいいんです。

この一枚で、金融機関の手続きがぐっと楽になる「魔法の一枚」ですので、法務局のホームページからダウンロードできますので、作成するといいと思います。

しかも、無料で何枚も発行してくれるので、手続きする金融機関などが多い人は、たくさんもらっておいてください。

「デジタル遺産」に注意

続いて、親御さんが元気なうちにやっておいてほしいことは、最近、問題になっている、「デジタル遺産」についてです。

インターネットバンクなどを利用している人もいると思います。
取引や利用料などの通知が郵送されていればわかりますが、通知がなければ、何を契約しているのか、プロバイダーも、どことどんな契約をしているかわかりません。
また、携帯電話やスマホで利用しているサービスやアプリも、電話を解約しても自動的に解約できないものもあります。

まずは、そもそも、パソコンやスマホのパスワード、そして、何をどこと契約しているのか、IDやパスワードを書いてもらっておかないと、亡くなったあと解約できない、といったトラブルになる場合もあります。

そもそも、本人が気づいていないうちに、サービスに入っている場合もあります。
年末年始、実家に帰省する方も多いと思います。ぜひ、親御さんが元気なうちに、準備を進めてみてください。

相続手続きと格闘した日々をつづったブログも公開されました。よかったらこちらもぜひお読みください。

前編:#相続手続きは続くよどこまでも(1)
自分でやってみたら沼だった!上がり(コンプリート)の日は来るのか?

後編:#相続手続きは続くよどこまでも(2)
魔法の書類「法定相続情報一覧図」ください!

筆者

山本恵子解説委員(NHK名古屋放送局 報道部 副部長)

愛知県出身。1995年入局。金沢局を経て社会部で教育、女性活躍、働き方改革などを中心に取材後、名古屋局で赤ちゃん縁組や里親について取材。国際放送局World News部を経て2019年再び名古屋局。「子ども子育て応援プロジェクト#わたしにできること~未来へ1歩~」スタート。2021年より解説委員(ジェンダー・男女共同参画担当)を兼務。中学生の娘の母。