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祖父母世代の"孫育て"支援

ニュース特集

2022年6月13日

共働き世帯が増え、子育てには、祖父母や地域の人たちの関わりがますます重要になっています。
そんななか、祖父母世代の人たちの"孫育て"を応援しようという取り組みを取材しました。

おじいちゃんおばあちゃん応援講座

愛知県小牧市では、おじいちゃんおばあちゃんを対象にした講座が定期的に開かれています。
5月の講座には4組が参加。
保育士から孫との遊び方のヒントが紹介されました。

ところが、こんな悩みが。

「お母さんは叱ることが結構、しつけみたいな感じで、私はなるべく叱りたくないので、どうしたらいいか」

「赤ちゃんにさ湯を飲ませたりとか、みかんしぼって飲ませたりしていたんですが、"そんなのは今はしないんだ"と娘に言われて」

祖父母手帳が伝える 今と昔の違い

そんな悩みに応えようと、小牧市では、ことし4月から新たな取り組みをスタート。

「祖父母手帳」と名付けられた冊子を作り、母子手帳を受け取りに来た妊婦などに配っています。
手帳には、育児にまつわる今と昔の違いが大きめの文字で記されています。

例えば「だっこ」。
昔は、泣いてすぐにだっこをすると抱き癖がつくと言われていました。
今は、心が安定することから、だっこするのがよいとされています。

また「お風呂あがり」には昔は、さ湯を与えていましたが、今は母乳やミルクが勧められています。

作成の中心となった副所長の岡本弥生さんです。
親と祖父母との間で、子育てのしかたの違いから、関係がこじれるケースがあるため、手帳を作ることにしました。

「昔当たり前だったことが、今は推奨されないとか認識が違ってきているというようなこともあります。祖父母手帳によって、ちょっとした行き違いでお母さんが傷ついたり、おばあちゃんも知っていれば余計なことを言わなかったのにということは事前に防げるかと」

手帳から学ぶ最新子育て情報

祖父母手帳が役立ったという人がいます。
前野淳子さんです
時々1歳になる孫を預かっていますが、娘に頼まれることの中に戸惑うことがあったと言います。

「孫がお風呂から上がったらクリームを塗ると娘に言われたが、昔はお風呂上がりに何か塗るということはなかったですね。よけいつやつやしちゃって大丈夫かなと思ったんです。油がついたみたいにならないかと」

そんな時に手にした祖父母手帳。
皮膚のトラブルを防ぐため、"入浴後にはベビークリームやローションなどで保湿を"という記述があり、娘の言うことが正しかったと納得しました。

また黒糖を含む食品は、1歳過ぎまで与えてはいけないという、命に関わる情報も知ることができたと言います。

「公のところが出しているものに、こうやって書いてあると、娘が言っていたことが間違いじゃなかったんだということがわかって。これからおじいちゃんおばあちゃんになるような友達がいれば、最初に"持っているといいよ"と勧めたいなと思います」

5000冊用意された祖父母手帳は、すでに3000冊以上配られました。
小牧市は今後さらに内容を充実し、地域全体で子育てをする環境を整えていきたいとしています。

「祖父母世代がどんな反応をするか少し不安なところがあったんですが、"本当にこんなに変わっているんだね"ということで素直に状況を受け止めてくださって、心強いなと感じました。親子だけでなくて、親子を取り巻く家族や地域の方にも働きかけることで、子育てしやすい町になっていくと思っています」

HPからダウンロードを

私(記者)も長男の出産直後に、助産師の方から教えてもらったことと、実母から言われる育児のしかたがいろんな面で違っていて戸惑ったのですが、親になりたてで自信がなくて、言い返すのが難しかった記憶があります。
祖父母手帳は、そんな認識の差を埋めて気持ちのいい関係を築くための大事な冊子だと感じました。
手帳には、妊娠中からの今と昔の対応の違いが書いてありますので、祖父母の人たちには出産前から目を通してもらえると、お互い不要なストレスが減っていいと思いました。

「孫育て手帳」は小牧市のホームページからダウンロードすることができます。
市役所や児童館など各所で配布も行っているということです。

筆者

松岡康子 記者(NHK名古屋放送局)

愛知県小牧市出身。

高校3年生と中学1年生の息子2人の母。

静岡放送局、科学文化部、生活情報部などをへて、2013年から名古屋放送局へ。

主に医療や介護、生活情報系の取材を担当。

1年ほど前から始めたテニスにはまっています。

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