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どうする家康 山田裕貴さん 亡き叔父を思う忠勝の変化と撮影秘話

2023年6月5日


山田さんが演じる本多忠勝は、家康率いる徳川家臣団の1人です。「57戦かすり傷ひとつ負わなかった」とされ、戦国最強武将ともいわれています。叔父は、「酔いどれ侍」こと本多忠真です。大河ドラマ「どうする家康」では、三方ヶ原の戦いで忠勝を逃すために1人で敵に立ち向かって討たれてしまいました。そのシーンは、忠真役の波岡一喜さんとアイデアを出し合って作り上げたそうです。

亡き叔父を思う忠勝の変化

山田さんが最初に語ってくれたのは、亡き叔父を思う忠勝の変化です。

山田裕貴さん

「三方ヶ原で、叔父本多忠真と夏目広次が亡くなってというところの話が、忠勝にとってはキーポイントだと思っていて、何より叔父上がつけていたひょうたん」

酔いどれ侍と呼ばれた叔父が持っていたひょうたんは、三方ヶ原の戦いのあとは忠勝の腰元に。

山田裕貴さん

「これは僕がつけさせてくださいと言って次の週からつけさせてもらっていて、叔父上の数珠も。こうやって誰かを思いながら戦っているのだろうな忠勝はって思って今もやっています」

叔父最期のシーン撮影秘話

忠真との別れのシーンは、ふたりで話し合って作り上げたそうですが、山田さんは、芝居を超えた感情になったといいます。

山田裕貴さん

「忠勝は『57戦かすり傷ひとつなしの男』ですけど、叔父上に殴られて初めて傷をつけたいって、それもお願いさせてもらって、台本にはなかったんですけど。そのシーンを続けていたら、最後にグッとされるとは思っていなかった。すべて悟って、走馬灯のように子どものころからの記憶が全部脳内を駆け巡ったのだろうな。それでも悲しみと前に進まなくてはいけない。すごい感覚でした。本当に生きている、お芝居じゃないと思えた瞬間でした」

俳優としての成長

藤井アナウンサー

「そういう1つ1つのシーンの積み重ねで、ご自身が俳優として成長している実感はあるものですか?」

山田裕貴さん

「どのシーンももちろん全力でやっているんですけど、俺はなんか変わっているのかと、ものすごく感じていて。そうそうたる皆さんがいらっしゃいますから。このセリフはすごいなとか。今の表情いいなとか。(自分には)深みがまだ足らないなとか。大森南朋さん(酒井忠次役)や松重豊さん(石川数正役)みたいな貫禄を出せなくても、ちょっとなんか出てくれって思いながらやっているんですけど」

今後の目標

そんな山田さんの今後の目標は、ドラマの中の忠勝の思いとリンクしているそうです。

山田裕貴さん

「目を合わせたときに、ちゃんと自分のハートを与えられる、演技者としてはそういたいし、忠勝としては一番頼りになって、一番ぶつかって、あまりしゃべらずとも心が通じ合っているような。あと忠勝の武勇で(殿を)守れたらと思います」

筆者・編集を終えて

「まるっと!」リポーター 無類の歴史・ドラマ好き"カトリーナ"こと加藤里奈

地元名古屋出身の山田裕貴さんはインタビューの登場は2回目。今回の聞き手は「東海ドまんなか!」で共演した藤井アナウンサーです。私は編集とスタジオでの進行を担当しました。お忙しい中インタビューの時間を作っていただき、短い時間で山田さんの考えや思いがギュッと詰まっている内容だと感じました。私は同じ時期に叔父忠真を演じた波岡一喜さんにインタビューをさせてもらい、シーンの演じ方だけでなく、見た目などの役作りのアイデアも出すという話を聞いて驚いたのですが、山田さんも叔父のひょうたんを引き継いで付けるというアイデアを出したと聞いて、ドラマでは描かれていない時間の人生・ストーリーも考えながら演じていらっしゃるんだなと感じました。1シーズン約15本のドラマを見るドラマ大好きな私は、そうした余白をイメージするのが楽しみでもあります。今回の場合は、忠勝は形見を探しに忠真のもとを訪れたのだろうか?とか。そのほかなら、戦国最強武将の1人と言われる忠勝は好き嫌いなくよく食べるのかな?とか。描かれていない部分の想像は、ドラマをみていない時間も楽しむことができるし、ドラマをより楽しむことにもつながると思っています!ぜひ皆さまも魅力的な登場人物それぞれに思いをはせてみてください!!


物語は、東海から。

大河ドラマ『どうする家康』