歴史の先人から現代に通じる知恵を学ぶ番組「先人たちの底力 知恵泉」出張スペシャル"徳川軍団・最強の秘密"の公開収録を2月3日、豊田市内で行いました。

ゲストは大河ドラマ「どうする家康」から、井伊直政役・板垣李光人さん、徳川信康役・細田佳央太さん、瀬名の母・巴役の真矢ミキさんが登場。大久保佳代子さん、静岡大学名誉教授の小和田哲男さんとともに、三河武士たちがどんな知恵で家康の天下取りを支えたのか、歴史談義に花を咲かせました。
「知恵泉」放送開始10年目にして初の支店出張でもあり、会場を埋める7倍の競争率を勝ち抜いた約1000人の皆さんが、歴史居酒屋「知恵泉」にやってきたゲストたちを温かい拍手で包みました。
今回の解説役で「どうする家康」の時代考証も務める小和田哲男さんは静岡県出身。「徳川家康は生涯の半分を静岡で過ごしましたが、多くのことを与えたのは、やはり愛知の三河や尾張だと思います」と解説し、愛知県田原市出身の大久保佳代子さんは「徳川家康は人間味があって親近感がある」と話しました。

さらに真矢ミキさん、板垣李光人さん、細田佳央太さんが来店。真矢さんは「婿殿のいる三河に来ました。私は今川方ですが、孫の信康と井伊直政さんを連れてきましたよ」と皆さんを紹介しました。板垣さんは「こんなに大勢の方がいらしていてびっくりしました」。細田さんは「聞いていた通り個性的なメニューばかり」と驚き、店主の高井正智アナウンサーは、粘り強さで知られる家康にちなんだメニューとして「三河ならではのお勧めの食材を用意しました!」と、豊田市の特産品・自然薯(じねんじょ)を披露。歴史トークがにぎやかに幕を開けました。

徳川四天王:酒井忠次・榊原康政・本多忠勝・井伊直政
今回、紹介されたのは徳川家康率いる最強の家臣・"徳川四天王"のそれぞれの知恵。それらが生まれた背景を演劇と映像で紹介し、武将たちの心情や歴史的状況が解説されました。ゲストの皆さんは、ドラマの中で感じる戦国時代への思い、自らの経験などについてトークを交わしました。
酒井忠次
まずは徳川家臣の中でも貢献度の高かった、酒井忠次の知恵からスタート。
家康の覚悟を後押しした忠次の進言が紹介され、甲冑姿の家康と忠次による演劇で、観客やゲストに当時の様子を伝えました。
真矢さんは「台本を読んだ時も複雑でした。どちらかが勝てばどちらかが負けてしまう。今日の友は明日の敵だと、戦国時代を生きる女性たちは分かっていたと思う。腹をくくる時期はここだという思いはあったのではないか」。また自らの経験として「家族なども理解があり、しがらみはあまり感じないが、恩義とやりたいことの真ん中くらいの道をちゃんと進んでいる気がする」とも振り返りました。

榊原康政・本多忠勝
続いては、榊原康政と本多忠勝の知恵。
家康と羽柴秀吉の直接対決として名高い「小牧・長久手の戦い」での活躍ぶりが紹介されました。
俳優として、人間としての"武器"を尋ねられた細田さんは「自分のことすらよく分かっておらず、まだ探している最中です。でも人に恵まれているので、その縁には自信があります」と話しました。
小和田さんは「家臣団が自分の特技に磨きをかけて家康のために頑張ろうとした団結力が、家康を支えたと私は思っています」と語りました。

井伊直政
最後に紹介されたのは、井伊直政の知恵。
天下分け目の「関ヶ原の戦い」は、家臣らとともに歩み続けた家康がついに太平の世を実現した戦い。その決戦で大きな手柄を挙げた直政の進言が紹介されました。
大河ドラマで直政を演じる板垣さんは「こんな大きな役をいただけるとは思ってもみなかった」と出演を振り返り、「僕自身は長い目で先を見ることがあまりなく、10年後にどうなっているか分からない。でも、もちろん芝居は続け、自分でブランドや服も作ったりしたいですね。年齢を重ねたら海外にも行ってみたい」と展望を語りました。
大久保さんは「この歳になると10年後、20年後は描きにくい」と笑顔を見せながらも「ビジョンを描くより、1日80点、75点を取るような生活をしていれば、10年後には今よりもっといいところに行けるという気持ちで生きています」とモットーを明かしてくれました。

4人の武将の知恵について、それぞれに解説を加えてきた小和田さんは「四天王には入っていませんが石川数正、本多正信、服部半蔵正成など、綺羅星のごとく有能な人たちが家康を支えていました」とも伝えました。
細田さんは「大河ドラマでは自分の役のことしか知らず、他とのつながりや何を残してきたかまでゆとりが持てなかった。劇まで交え、丁寧に教えていただけて勉強になりました」と感想を語り、板垣さんは「こうして武将たちの考えを知るところから今日集まった皆さんの考えや知恵を吸収できて、すごく貴重な時間でした」と振り返りました。
真矢さんは「小和田先生の話をどこまでも聞いていたい。三河の地で皆さんと、この地に眠っていることを話せたのがすごく楽しかった。大河ドラマに出ているのに、見たい!と思っちゃいました」と笑顔を見せました。
最後には会場からの質問コーナーも。大河ドラマの撮影裏話なども飛び出し、公開収録は幕を閉じました。会場を訪れていた親子連れは「大河ドラマは見ているが、家臣団にスポットを当ててくれて面白かった。武将たちのキャラクターがよく分かりました」と感想を語りました。
番組は3月21日(火・祝)午後10時~11時にEテレで放送します。NHKプラスでの配信も予定されているので、ぜひそちらも使ってお楽しみください。
