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立浪和義監督インタビュー ドラゴンズの現在地

東海 ドまんなか!

2022年7月15日

中日ドラゴンズの立浪和義監督。誰もが"ミスタードラゴンズ"と認めるチームの顔だ。"すべては勝利のために"というキャッチフレーズのもと始まった監督としてのルーキーシーズンは、7月14日時点で最下位と苦しんでいる。それでも監督はドラゴンズ復活の未来をしっかりと描いている。"監督"立浪和義のいま、ドラゴンズのいまを語って頂いた7月10日のインタビューの全容をお伝えする。そこからは立浪監督の考えるチーム作りのエッセンスがはっきりと見て取れた。(聞き手は「東海 ドまんなか!」の田所拓也アナウンサー)

チームの現状をどう捉えているか

今回、立浪監督にインタビューできる時間は15分。少しでも監督の本音に迫ろうと、いきなり「連敗が続くチームの現状をどう捉えているか?」という質問をぶつけた。立浪監督は冷静にチームの現状、課題を語り始めた。

田所拓也アナウンサー

5月中旬以降、連敗が続きました。ここまでのチームの状況をどう見ていますか?

立浪和義監督

課題もたくさんありながら、特にホームでやるときは、開幕前から守り勝つ野球という、少ない点数をしっかり守り抜くというイメージでスタートしました。しかし、実際開幕からなかなか、特にホームでは点が取れなかったです。簡単に点を与えてしまったり、ミスや相手に隙を突かれてしまったりと、課題は打つほうも守るほうもここまでたくさん出ています。打つ方に関していえば、なかなか得点圏で1本が出ない。この課題もなかなか克服できずにここまで来ているのが今の成績かなと思います。

田所アナウンサー

ファンも心苦しい部分は大いにあると思います。監督の心情としてはいかがですか?

立浪監督

就任した時に「打つ方はなんとかします」ということでスタートしたが、実際には、そこまでいっていないので、その責任は本当に感じています。ただ、現状のメンバーでなんとか出ている人を、高橋周平であったり京田であったり、全員が頑張っていかなければ、なかなか打線もつながらない。残り試合ありますから、ちょっとでもいいかたちが出せるようにと思っています。

京田選手2軍降格 ドラゴンズが変わるために

次に、監督の見せた厳しさに迫った。5月4日、打撃が不振で、まずい守備を見せた選手会長の京田陽太選手に、試合中にもかかわらず「2軍降格」を告げた場面だ。その背景を聞く中で、立浪監督の話はドラゴンズが変わる鍵にまで及んだ。

田所アナウンサー

監督はいつも「戦う」という気持ちを口にされています。5月4日のDeNA戦では、試合中に京田陽太選手に2軍行きを伝えました。その背景には何があったんでしょうか?

立浪監督

開幕から本人が苦しんでいたのも見ていましたし、なんとか復活してもらいたいと励ましながらやってきました。しかし、どうしてもあれだけ結果が出ないと、守備にも影響が出ます。あとは気持ち的にも、さすがにちょっとめいっているなと。そう感じたので1回ファームに行ってこいというかたちにしました。

田所アナウンサー

ファーム行きを命じるのはチーム全体にもメッセージになった?

立浪監督

どうですかね。われわれの時代と違って、いまの選手はそんなに厳しい環境で子どものころから野球をやっていないですから。正直本当に弱いなと思います。われわれは、いろいろ声をかけアドバイスもしますが、最後は自分で乗り越えないと試合の打席は誰も助けてくれないのです。なんとかできればと思いますが、なんともならない状態になったということも多いです。もちろん就任前から、その選手にどうやって力を出させてあげるかということを考えていましたが、実際にはそれができていない。もちろん選手だけではなくて、われわれの責任でもあります。われわれの指導も含めて、しっかり反省しています。ただ、サポートはするのですが、最後は自分ですから。もっと自分自身で強い選手が出てこないと、いまのドラゴンズは変わっていかないかなと思います。

育成と勝利 若手への思い

話は、立浪監督が力を入れる若手の育成へと進む。ルーキーの鵜飼航丞選手、そして3年目でレギュラーを獲得した岡林勇希選手。それぞれへの具体的な話しからは、監督の愛情がにじみ出ていた。

田所アナウンサー

ドラゴンズを変えるという意味では、「育成」と「勝つ」という2つは、両輪でどう位置付けていますか?

立浪監督

もちろん育てながら勝つとか、そんな甘い世界ではないということは十分わかっています。ただ、変えていかないと、このチームは変わっていかないということもあります。鵜飼であったり、石川であったり、岡林であったり、この3人はなんとか使い続けようというイメージでいました。残念ながら石川はケガをしましたし、鵜飼はあれだけ魅力はありますが試合のなかでボール球を追ってしまう。もちろんいいところがなくなってはいけないので空振りはいいと。ボールを振るなと言えばバッティングが小さくなって打てなくなるので、出ているあいだで1つでもボール球を振るのを我慢できるようになっていけばいいと思っていました。あれだけ試合に出るなかで、変わっていかなかったので、このままだと、逆に余計に自信をなくすということで、1回ファームでやり直す時間を与えたのです。
育成と言われますが、取ったばかりの選手ですし、そんなにすぐに育ってくれればいいですが、そんなに甘い世界ではないです。例えばいま、ヤクルトで活躍している塩見選手が入ってきたときは、荒くてボール球をすごく振っていました。3~4年かかっているんですね。1年やって、来年いけるかなと見込みが出るのが1人くらいかなと思います。

田所アナウンサー

2番の岡林選手は開幕から定着しています。その成長ぶりはどう評価していますか?

立浪監督

開幕当初は勢いよくいったのですが1軍でずっと試合に出たことがない選手ですから、へばってしまい何回かは外しました。でも、このところは盛り返して頑張っています。シーズンはようやく半分ですから、本当にしんどいのはオールスター明けの8月の連戦や、9月くらいに少し涼しくなったときに本当の意味での夏バテが出てきます。それを経験しなければいけないですが、今のところは十分頑張ってくれていると思います。

田所アナウンサー

若手が試合に出続ける、育成する意味は監督になって変わりましたか?

立浪監督

それはあまり変わらないです。ずっと野球をやってきたなかで、この選手は使っていればレギュラーをとれるなというのは、なんとなくわかります。例えば岡林であれば昨年臨時コーチでいったとき、この選手は近い将来レギュラーを取れるなと感じた選手の1人です。これは技術的なこともそうですし性格とか、体力面もそうです。試合に出る体力は、1回シーズンを通して試合に出ないと体に染みついていかないので、実際に5月へばった時期もありましたし、これからももちろんへばるでしょうけれども、レギュラーをとれるなというのはなんとなくわかります。

根尾投手

続けて、シーズン中に"異例中の異例"ともいうべき投手転向となった根尾昂投手の話に移る。チームへの影響は、そもそもなぜ投手根尾を決断したのか。

田所アナウンサー

根尾投手が投手に転向しました。根尾投手転向のチームへの好影響はどうでしょうか?

立浪監督

好影響といいましょうか、まだ基本は負けているゲームで投げることが多いです。覚えることもたくさんありますし、将来的にはもちろん、そんな簡単にすぐいくものではないと思っていますが先発としてやってもらいたいです。今はどんどん試合のなかで経験することによって課題も出てくると思うので、それを見て後半、先発をやるのであればファームの方で、当然そういう練習もしていかなければいけない。そういうことは考えています。

田所アナウンサー

根尾投手の転向は、勝つために根尾投手をどう生かすかということでしょうか?

立浪監督

去年の秋から根尾を見てきて、外野にまずコンバートしました。しかし、どうしても外野では出る機会が少ないと。外野は、いま現状では非常に争いが厳しいですから。京田がああいうかたちでファームへ行ったとき、今度はショートという、自分の狙いとしては外野をやることによってショートのスローイングという部分でも、何か変わったものが出るかなというところから、ショートを1回やらせてみようと。本人もやりたいということで始まったのですが、これは自分から見て相当時間がかかるなと思いました。であれば、彼の一番持っている能力のなかで素晴らしいのが投げることですよね。ピッチャーのほうが大成するという自分の判断と、本人とも話し合いながら最終的には決めました。転向したからにはなんとか大成してほしいという思いです。落合コーチから、大塚コーチからいろんなことを吸収していると思いますが、これをものにするのは、最後は本人だと思うんですね。勝手な言い方かもしれませんが、ある程度の道は与えながら、サポートももちろんしますが最終的にやるのは選手ですから。

星野野球の薫陶は 立浪野球の流儀は

立浪監督を"ミスタードラゴンズ"へと育てあげた1人が、闘将・星野仙一監督であることに疑いはないだろう。「闘志無き者は去れ」という言葉に代表される星野監督の教えは、立浪監督にはどう影響を与えているのか、聞いてみた。

田所アナウンサー

スローガンに「勝利」を掲げました。星野さんの薫陶は息づいていますか?

立浪監督

われわれには染みついています。が、そのときといまの選手の感覚はまったく違います。最低限、打つとか打たれるとかということは相手があることで、しょうがないですが、やれることをやらないときは、もちろん叱ります。それ以外は、わいわいとベンチの中でやってくれと言っています。ただ最低限の緊張感とか、そういったことは必要だと思いますし、もっともっと強くなってほしいですね、選手に。
(強く?)
勝負どころで結果が出せる選手がピッチャーもバッターも少ないから、こういう成績になっているわけです。勝負強い選手が1人でもつくれるように、われわれももちろんしっかり頑張っていきますし選手にも強くなってほしいと思います。

田所アナウンサー

プロとして勝利を追い求めることは当然ということですか?

立浪監督

これはファンの皆さんも、試合でいいプレーもそうですが勝ちを見に来ているわけですから、これだけ負けているという責任は本当に感じていますし、簡単には、なかなかすぐいかないかもしれませんが、これは自分がやっているあいだは、ずっと持ち続けて、必ず変えていかなければいけないと、それが自分の使命だと思っています。

田所アナウンサー

残り試合、気持ちでどう戦っていきますか?

立浪監督

もちろん正直ヤクルトがあれだけ走っていますから優勝とかそういう話でもないですし、そのなかでも負けていい試合はないですから。例え若い選手を使っても、その選手がもちろん必死に勝つためにやってもらわなければいけないですし、絶対勝ちには貪欲にこだわってこの先も残り試合、しっかりやっていかなければいけないと思っています。たくさんこうやってファンの方が見に来てくれて1点も取れない試合をお見せすると非常に心が痛いですしね。ちょっとでもそういうことがないように全力で頑張っていきます。

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