ページの本文へ

  1. トップページ
  2. 東海 ドまんなか!
  3. 磯村勇斗さんが語る「茨木のり子」

磯村勇斗さんが語る「茨木のり子」

東海 ドまんなか!

2022年5月12日

静岡県沼津市出身の俳優・磯村勇斗さん(29)。
主な出演作に、ドラマ『今日から俺は!!』『きのう何食べた?』など。NHKでは連続テレビ小説『ひよっこ』、大河ドラマ『青天を衝け』などに出演。
茨木のり子の詩集を、人生に気付きを与えた一冊として挙げています。番組ではそんな磯村さんに、茨木のり子の詩と出会ったきっかけや、その魅力についてうかがいました。

茨木のり子の詩との出会い

5年ぐらい前ですかね、自分が舞台でやった役柄が詩人の役で。自分で詩を書いて、演出家の方に提出するみたいな作業が毎日あったんですよ。そこから茨木さんを含めたいろいろな詩人に触れるようになりました。

ご自身で購入された茨木のり子の詩集
戦争体験に裏打ちされているからこそ今の時代に響く

いま世界各地で戦争が起きていますが、日本で実際に戦争を体験して、その当時を語れる人や記録というものが時代とともになくなってきてしまっていると思います。実際に茨木さんは戦争を体験しているので、そういった貴重な話を詩にのせて聞けるというのは、茨木さんの詩の素敵な部分だと思います。
当時の苦しさや背景をシンプルに言葉にして、詩にのせて届けている。茨木さんの詩はすごく僕の体に合っているといいますか、自然と言葉がスーッと入ってきます。決して柔らかいものではなくて、時にはズバッと切るような言い方で詩にのせていたりするので・・・女性らしさもありつつ、何かその気持ちよさみたいな部分が茨木さんの魅力なのかなと思いますね。

戦争について書かれた詩 「準備する」

戦争に関する茨木さんの作品でいうと「準備する」という詩があります。「準備する」はすごく好きな詩ですね。

<むかしひとびとの間には
あたたかい共感が流れていたものだ>

少し年老いてこころないひとたちが語る

そう
たしかに地下壕のなかで
みしらぬひとたちとにがいパンを
分けあったし
べたべたと
誰とでも手をとって
猛火の下を逃げまわった

弱者の共感
蛆虫の共感
殺戮につながった共感
断じてなつかしみはしないだろう
わたしたちは

茨木のり子 「準備する」(『対話』1955年 不知火社)より一部抜粋

茨木さんは"共感性"というところを大事にして書いています。
共感によって戦争は生まれるし、共感が全てよいものではない、という書き方もしているんです。詩の最後に「生きる意味と死ぬ意味と共感性というのを準備したい」って書いてあるんですね。
共感にもきっといいものがあるはずだと、そうであって欲しいと描いています。
自分も"共感性"って確かに大事だと思っていて、でもそれは悪い方にも行くし、良い方にも行く。この詩を読んで改めて、この時代と照らし合わせた時にすごくスッと心に入ってきました。

最後に磯村さんが茨木のり子の詩の中で、心を動かされたという詩「自分の感受性くらい」を朗読してもらいました。自分を見つめ直し、初心に帰る詩だといいます。

「自分の感受性くらい」(『自分の感受性くらい』1977年 花神社)


関連記事『ふるさとに生きた「茨木のり子」を探して』はこちら

東海 ドまんなか! 番組ホームページはこちら

この記事に関連するタグ