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あのとき何食べた ~お父さんのLOVEが詰まったピカロネス

ペルー出身の黒田ベリンダさん(44)。日本人の祖父を父方に持つ日系3世で、初めて日本にやってきたのは19才、家族を支えるためでした。懸命に働いた日々を乗り越え、今はNPOグループのリーダーとして生き生きと活動するベリンダさんの原点には"ある料理"がありました。

目次

【ベリンダさんの過去】日本に来るまで

ペルーでのベリンダさん一家は父フリオさんのもと、幸せな日々を過ごしていました。フリオさんは家族にも地域の人にも分け隔てなくやさしい人。ベリンダさんいわく「優しすぎる人」だったそうです。食べ物のおすそわけは日常茶飯事、時にはこっそりお金を渡すこともあったといいます。そんな背中を見て育ったベリンダさんにとってお父さんは何よりも自慢に思う存在でした。しかし、18歳の時に父が他界し一家は食べ物にも困るほど経済的に困窮することに。そんな一家を支えるため、ベリンダさんが新たな大黒柱となり日本に行くことになりました。

【ベリンダさんの"あのとき"】つらさを乗り越えたピカロネス

慣れない日本で奮闘していたベリンダさん。ふと思い出した父の得意料理ピカロネスを作ろうと台所に立ちながら涙があふれ出ました。お父さんへの恋しさはもちろんですが、その涙には別のわけが。
ベリンダさん自身、日本に来てから家族を養うために食べたいもの、ほしいものを切り詰めて我慢をたくさん重ねていました。その蓋をしていた思いが一気に涙となってあふれ出したのだといいます。泣いたことで気持ちがほぐれたベリンダさん、そのころには支えてくれる日本人も現れ、生活も安定していきました。

【ベリンダさんの"今"】困っている人を助けたい

ベリンダさんが代表を務めるNPO団体(アユダメ・ア・アユダル)はスペイン語で「助け合って」、という意味です。ベリンダさんはやってくる人にどんどん声をかけていきます。その現場には娘の愛子ちゃんもいました。活動が終わると、みんなでメンバーが作ってきた食事を囲みながら和気あいあいと過ごします。ベリンダさんは周りを大切にし、どんな人にも親身に寄り添っていました。

ベリンダさんを取材していて感じたのは、優しさを行動で示す大切さです。言葉をかけるだけでなく、相手に寄り添い、相手のために行動することがベリンダさんの信念。お父さんからベリンダさんに、そして娘の愛子ちゃんにやさしさの形が脈々と受け継がれている様子がとても印象に残りました。

【ベリンダさん流 ピカロネスレシピ】

ペルーで人気のスイーツ、ピカロネス。お祝い事や大勢で集まったときにみんなでわいわい食べることが多いのだそう。サクサクとした軽い食感が特徴です。ほんのりカボチャが香る生地にキャラメルソースをたっぷりかけたらおいしいスイーツの出来上がり!

<材料(ドーナツ20個分)>
<生地>
  • カボチャ・・・500g(皮をとって角切りに)
  • 小麦粉・・・400g
  • シナモン・・・1本
  • スターアニス・・・2、3個
  • クローブ・・・少々
  • ドライイースト・・・15g
  • (砂糖・・・大さじ2杯)

<キャラメル>
  • 砂糖・・・150g
  • お水・・・100ml
  • シナモン・・・1本
  • オレンジ・・・1/8個(皮つき)
  • イチジクの葉・・・1枚
<作り方>

(1)たっぷりの水にシナモン、スターアニス、クローブ、カボチャを入れて15分ほど強火でゆでます。カボチャが柔らかくなったらお湯から取り出してマッシャーでつぶします。

(2)小麦粉とドライイーストを加えて生地を作ります。この時、カボチャをゆでた煮汁を加えて生地の硬さを調整。煮汁に砂糖を加えるのがベリンダさん流。

(3)3時間ほど置いて膨らませた生地を手で成形し、油に入れます。ピカロネスの生地は水分を多く含ませるのがポイント。水を入れたボウルに手を浸すと生地が成形しやすくなります。

(4)片面の色が変わったらひっくり返して両面を揚げます。お箸で真ん中の穴を広げると形が整います。両面で大体4分ほどで出来上がり。

(5)味の決め手となるのがキャラメルソース。砂糖と水を鍋に入れ、そこにシナモンとオレンジ、イチジクの葉を加えてひと煮立ちさせます。とろみがついてきたら入っているものを取り出して、完成です。



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