「ドリーム★ネイバーズ」は・・・
おとなりさんの存在、つまりネイバーズである東海北陸に住む外国人と一緒に、夢を叶える番組です。
「地元がつまらない」と思っている人たちの意識を変えるため、愛知の魅力を再発見してもらえるようなオリジナルツアーをつくりたい。番組では、そんな思いを持つジュリさんのツアーづくりに密着、モニターツアーも実現しました。
ジュリさんの仕事はフリーの観光アドバイザー。
普段は、旅行会社と一緒に、日本にやって来る外国人観光客を対象にした企画を立てたり、開発中のプランを実際に体験して、改善点などをアドバイスしたりしています。
ツアーづくりでは、外国人にウケる日本の魅力を見つけて組み込む一方、日本人がなかなか気づかない外国人が"引っかかるポイント"がないかということにも注意を払っているんです。
放送では伝えきれなかったジュリさんの「プロの視点」をご紹介します。
9月下旬、ジュリさんはモニターとして、岐阜県・郡上市が開発中の電動自転車ツアーに参加しました。
ジュリさんのほかにも日本在住の外国人が参加。外国人目線を取り入れることが、インバウンド向けのツアー商品づくりには必須なんだそうです。
走り始めて約1時間、トイレ休憩のため農場に立ち寄ったときのことです。
ジュリさんがいない...。探すと、馬を見つけて駆け寄っています。遊んでいるのかと思いきや...。
実は海外には、動物の福祉や権利について、日本人より高い意識を持つ人が多く、ツアーの最中に劣悪な環境で飼育されている動物を見てしまったら、バカンスどころではない気分になってしまうそう。
生き物が大好きで、フランスにいたころは乗馬をしていたというジュリさん。農場にいた動物たちの飼育環境や健康状態を観察していたんですね。同じ理由で、魚の「生き造り」も苦手な外国人が多いんだそう。
ちなみに、こちらの農場の動物たちは、バッチリの環境で暮らしていました!
日が暮れて、一行はナイトツアーに繰り出しました。
町なかに水路が張り巡らされた郡上八幡の城下町。夜になると、水路のせせらぎが聞こえるほど、深い静けさに包まれます。ジュリさん、水路に大きなこいを見つけて大興奮。でも地元住民に配慮して、大きな声は出さないようにしていたそうなんです。さすが観光のプロと感心していると...、ジュリさんが気にしていたのは、それだけじゃなかったんです。
「町によって、できることとできないことがあります。観光客が増え過ぎる前に考えるべきことです。」
町の雰囲気や住民の暮らしを見て、観光客が迷惑になっていないか、どんな形や規模のツアーなら地域に受け入れてもらえるのかを見ているというんです。駐車場や公衆トイレの数でも、町にどれぐらいのキャパシティーがあるかどうかがわかるといいます。観光客側の目線だけではなく、地域住民への目線も忘れないことが、ジュリさんが大切にしているポイントです。
「大きな観光バスで観光客が押し寄せて、地域を破壊するようなツアーはダメです。観光も持続可能でないといけない。私はそういうツアーしかしないです。」
改めてジュリさんにもらった名刺を見ると、「サスティナブル観光アドバイザー」と書いてありました。なるほど、こういうことだったんですね。
いま、新型コロナウイルスの水際対策の緩和と円安で、日本を訪れる外国人が増えることが見込まれています。観光ひとつをとっても、私たち日本人が気づかない視点がたくさんあることを今回の取材で知りました。
ネイバーズさんたちから、これからもいろいろ教えてもらったり、お互いに良い影響を与えるような番組を目指していきます!
「ツアーの中に、動物がいるときは、適切に飼われているかどうかをチェックしています。」