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あのとき、何食べた? サモサ 自信を与えてくれた料理


皆さんには、"忘れられない食事"はありますか?
「あのとき、何食べた?」は、中部に住む外国籍や外国にルーツのある方々の"忘れられない一品"を掘り下げるグルメドキュメントです。

名古屋市の区役所で通訳の仕事をしている、ドゥンガナ・マノジュさん(30)。
2011年、19歳の時、ネパールからやってきました。
日本の暮らしで大きな壁になったのが、日本語での契約や手続き。
理解もできないまま、「はい。はい。」と答え続けた結果、大変な事態になったことも...。
そんな彼を勇気づけてくれたのが、コロッケのような味が特徴の"サモサ"です。

目次
【マノジュさんの"あの時"】 日本で感じた言葉の壁

ネパール生まれのマノジュさん、思い出の食は、コロッケのような味が特徴の"サモサ"。加熱したジャガイモをつぶし、みじん切りのタマネギと合わせてよく炒めて混ぜ合わせ、これを生地で三角に包み、きつね色になるまで揚げた料理です。ネパールでは、お祭りなどで多くの人が集まったときに食べる、ハレの日のごちそうだといいます。
そのサモサによって、マノジュさんは日本での暮らしに、自信が持てたといいます。

2006年まで内戦が続いていたネパールで生まれ育ったマノジュさんは、戦後に急激な経済成長を遂げた平和な国、日本を知り、憧れるようになりました。
そして2011年、19歳の時に、日本へ留学、就職を目指して勉強に励みます。
日本で暮らし始めた当初のマノジュさんにとって困難だったことが、日本語での契約や手続きでした。携帯電話店で、窓口からの問いかけに「はい、はい。」と答えているうちに、高額な料金プランを契約してしまったことも。日本でうまく暮らしていけるのか、不安を感じたそうです。

しかし、そんな彼に大きな自信を与えてくれたのが、学園祭の出店でサモサを販売した経験でした。サモサを多くの人に食べてもらおうと、キャンパスを周り、購入を呼びかけました。すると、サモサの味は友人や教官の間で評判となり、すぐに売り切れてしまったのです。
マノジュさんは、大好きなサモサが、学園祭でよく売れたことで、日本で働くための自信がもてたといいます。

【マノジュさんの"今"】 区役所で困った外国人を徹底サポート

マノジュさんは大学卒業後、派遣社員として名古屋市の区役所で、「外国語フロアサービス員」の仕事をしています。来庁する外国人の行政手続きをサポートすることが、主な役割です。日本で暮らす外国人には、国民年金の支払いや、マイナンバーカードの登録など、さまざまな手続きを行う必要があります。しかし、ここで外国人にとって大きな問題となっているのが、日本語の壁です。マノジュさんは自分自身が苦労した経験を糧に、彼らが納得できるよう、行政手続きの仕組みを、丁寧に伝えています。彼の対応は、ネパール人を中心とする外国人に口コミで評判となり、マノジュさんを目当てにした外国人が大勢来庁するような状況だといいます。
そんなマノジュさんの将来の目標は、外国人の各種手続きや契約業務をサポートする仕事をすることです。ゆくゆくは行政書士になり、事務所を構えることはできないか、準備を進めています。

【マノジュさん流 サモサのレシピ】 コロッケのような味が特徴の"サモサ"

手間暇のかかる、ハレの日に作るごちそうといった料理。
食材は日本のスーパーでそろえることができますが、ネパールでは家庭ごとにスパイスやハーブによる味付けが微妙に異なり、それぞれの味付けがあるそうです。レシピにないスパイスを加えても、きっとおいしい仕上がりになるはず。

<材料(16個分)>
<具材>
  • ジャガイモ・・・小5個
  • タマネギ・・・1/2個
  • グリンピース・・・1缶(80g前後のもの)
  • とうがらし・・・適量
  • アジョワンシード・・・適量 ※クミンシードやフェンネルシードも可
  • カシューナッツ・・・適量 ※ピーナッツや砕いたアーモンドも可
  • パクチー・・・適量
  • こしょう・・・適量
  • サラダ油・・・大さじ1

<スパイスA> ※カレーパウダーでも可
  • ターメリック・・・小さじ1
  • ガラムマサラ・・・小さじ1
  • クミンパウダー・・・小さじ1/2
  • コリアンダー(パウダー)・・・小さじ1/2
  • カイエンペッパー・・・小さじ1/4
  • 塩・・・小さじ1

<サモサの生地>
  • 薄力粉・・・200g
  • サラダ油・・・大さじ2
  • 塩・・・小さじ1/2
  • 水・・・約50ml

<その他>
  • サラダ油(揚げ油)・・・適量
  • ケチャップ(サモサ用ソース)・・・適量
<作り方>

(1)サモサの生地の材料、薄力粉、サラダ油、塩をボウルに入れ、水を少しずつ加え、耳たぶくらいの硬さまで練る。横長にまとめラップに包み、常温で30分ほど休ませる。

(2)じゃがいもの皮をむき、1cm角くらいに切る。耐熱容器に入れラップをし、電子レンジ(600w)で5分加熱する。たまねぎはみじん切りに、グリンピースは缶汁をきる。

(3)フライパンにサラダ油を大さじ1とアジョワンシードを入れ、熱し香りを出す。たまねぎを加えきつね色になるまで炒める。じゃがいもとグリンピース、パクチー、カシューナッツを加えて炒め合わせ、<スパイスA>をすべて加え、全体になじむまで炒める。ボウルなどに移し冷ましておく。

(4)(1)の生地を8等分に切り、一つずつ丸める。まな板に薄力粉をふるい、長さ17cm~18cmのだ円形に伸ばす。真ん中で半分に切る。

(5)切った辺に水をつけて、円錐形になるように重ね合わせとじる。

(6)(3)の具を生地に詰め、生地の周囲に水をつけてしっかりと留める。

(7)揚げ油を180℃に熱し、(6)を入れてこんがり色づくまで揚げる。油をきり、お皿に盛りつければできあがり。



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