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ワタシの好きな陶芸

ハロー!ネイバーズ

2022年7月25日

  • タイ・バンコク出身のスタッス・ポンパンさん(33歳)は、福井県あわら市で陶芸に打ち込みながら、陶芸指導員として働いています。
  • ポンパンさんが福井で見つけたのは、陶芸教室でのふれあいや仲間の陶芸家と創作を深める生活。陶芸を通じたつながりを取材しました。
陶芸の楽しさを教える

福井県あわら市の工房で開かれる陶芸教室。仕事を終えた社会人など15人ほどが月2回通い、ポンパンさんは茶碗や皿の作り方など陶芸の基礎を教えています。取材では、1人の女性生徒によりそい、粘土のこね方がわかるまで教える場面が見られました。さらにアメリカ出身の生徒には、得意の英語を生かして創作のアドバイスを伝えます。心掛けるのは、誰でも陶芸の楽しさを見つけられる丁寧な指導。実際、生徒にインタビューをすると、ポンパンさんのおかげで陶芸の楽しさに出会えたと話し、大きな作品への挑戦を口にする人もいました。ポンパンさんが「陶芸の楽しさを見つける場所にしたい」と話す教室には、陶芸を通じて豊かな時間が流れていました。

畑仕事に挑戦

ポンパンさんが暮らすのは、美山にある自然に囲まれた集落。首都バンコク出身のポンパンさんは、福井はとても静かなところで人が親切だと言います。ポンパンさんがそう感じたのは、自宅玄関の前で大量の大根が置いてあるのを見つけたとき。近所の人が畑で育てた季節の野菜をお裾分けしてくれるのです。さらにあるおばあさんは畑の一角を貸してくれるだけでなく、野菜の育て方も伝授。ポンパンさんはじゃがいもやタイ料理に使うとうがらしを育て、お返しに手作りの料理を届けながら、地域とのつながりを育んでいます。

陶芸との出会い

ポンパンさんが陶芸に出会ったのは、タイで美術専攻の大学生だった時。仕事を見つけやすいグラフィックデザインの道を考えていましたが、本当に好きなことかわからず投げやりでした。そんなとき授業で体験したのが陶芸。粘土の成形や絵付けなど創作が幅広く自由なことにひかれ、心から打ち込めるものに出会えたと将来の道を決めました。進学した大学院で陶芸を専攻。同時に陶芸の工場で実践的な経験を積み、陶芸の世界にのめり込んでいきます。タイの陶芸の特徴は工程別に専門の職人が手がけること。ポンパンさんは絵付けの腕を磨きました。日本に来ることを決意したのは、大学院が終わりにさしかかった頃のことです。決め手は、「手作りの陶芸」。職人がひとつの作品を手作りで最後まで仕上げる日本なら陶芸をさらに深められると、窯元のある福井を選んだのです。

創作を深め合う仲間

ポンパンさんは福井で出会った陶芸家2人と影響し合いながら創作を深めています。1人目は橋本沙代さん。茶碗や皿などの食器が得意で、ポンパンさんに日本の陶芸の技を教えました。そして橋本さんは終業後も創作に打ち込むポンパンさんのひたむきさに影響され、自分も夜遅くまで陶芸に取り組むようになりました。2人目はアメリカ出身でのアーロン・ブラウンさん。日本で陶芸に打ち込んで30年。電動ろくろを使って大きなつぼを手がけます。アーロンさんはポンパンさんのデザインの腕を見込み、今年出展するつぼの絵付けを委ねました。絵付けにはポンパンさんならではのこだわりをいれました。「作品を通じてタイのことを知って欲しい」という思いを込めて、仏教国・タイを象徴する蓮の花をつぼに描いているのです。出身も文化も違う3人が手を取り合い、新たな陶芸を生み出しています。

ポンパンさんたちの陶芸工房

金津創作の森

〒919-0814 福井県あわら市青ノ木44-10-29

TEL 0776-73-7802 / FAX 0776-73-7804

E-mail craft@sosaku.jp

筆者

NHKエンタープライズ 制作部

ディレクター 平野凜太郎

東京都出身 2020年から名古屋に勤務

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