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あのとき、何食べた? #3 フィリピンのcultureをつたえられたアドボ

ハロー!ネイバーズ

2022年3月31日


「あのとき、何食べた?」は、中部に住む外国籍や外国にルーツのある方々の"忘れられない一品"を掘り下げるグルメドキュメントです。

【マリさんとアドボ】

愛知県西尾市の外国ルーツの子どもの学習支援を行う「多文化ルームKIBOU」で働く前山マリヴィクさん(58)。
自分の母語であるタガログ語を使わずに、日本語だけで子育てしてきたことに後悔があるそう。そんなマリさんが子どもとフィリピンのカルチャーを共有できていたのが食事の時間でした。

目次
【"あのとき"を取材して】母語や母文化の大切さ
【フィリピンでのマリさん】

フィリピンで生まれ育ち、日本人との結婚を期に27歳のときに来日しました。長男と長女、二人の子どもを出産後、離婚し、日本で一人で子どもを育ててきました。
マリさんは、フィリピンに帰って子どもを育てることも考えたと言いますが......。

マリさん

「最初はですね、寂しくて、はっきり言って帰りたかったんです。子どもたちの将来を考えて日本にいたほうがいいのかなとか、フィリピンに帰ったほうがいいとかは何回も考えました」

子どもの教育や就職のことも考え、マリさんは日本で暮らすことを決めました。
日本で子育てする中で、マリさんは「子どもは日本で暮らしていくんだから」と、日本語だけで子どもを育ててきました。しかし、子どもが大きくなったあと、そのことを後悔したのだと言います。

【自身の母語も使って子育てをすればよかったと感じるようになった】

マリさん

「ここは日本だから日本語だけは教育しなきゃいけないという気持ちが強かったんです。で、自分の言語(タガログ語や英語)も教えればよかったのに、そこまでは考えてなかったんですね。でも、今思うとタガログ語、英語、日本語で3か国の言葉を教えればよかったなあと思って。」

母語で自分の子どもとコミュニケーションを取れない。マリさんにとって大切な母国・フィリピンの文化を共有することができない。その寂しさを感じるようになったそうです。

しかし、マリさんが自分の子育てを思い返したとき、日本でもフィリピンの料理を作っていたこと、フィリピンの料理を食べる食事の時間は子どもたちとフィリピンの文化を共有できていたのではないか、とマリさんは気づきました。
中でもよく作っていたのが、手軽に作れるフィリピンの煮込み料理「アドボ」。レシピがシンプルなアドボは、働きながらの子育てで忙しかった時代にもよく作っていた料理だそう。

【アドボを囲むマリさんとお子さん】

アドボを囲むマリさん家の食卓にお邪魔させていただくと、マリさんとお二人のお子さん、アドボで白ご飯が進んでいました。お話を伺うと......。

マリさん

「アドボがあるとみんなで一緒に食べるということが習慣ですかね。」

長女:保菜美さん

「覚えてないぐらいから食べてた気がする」

長男:志郎さん

「好きですね。お肉食べてる感があるんで 笑」

アドボは、今も昔もマリさんちの人気のメニューのようです。
言葉を共有できなかったと言うマリさん。その後悔は消えませんが、フィリピンの味は確かに伝わっていました。

【フィリピンの味を伝えていた アドボ】
【マリさんの今】2つの言葉で外国ルーツの子どもの学習支援
【愛知 西尾 多文化ルームKIBOU】

「子どもに母語を伝えられなかった」という後悔があるからこそ、今、タガログ語と日本語両方を使って勉強している子どものサポートができることにやりがいと嬉しさを感じていると、マリさんは言います。
自身の経験があるからこそ、自分のように子育てで悩む保護者達、そして母語と日本語の間で苦労する子どもたちを支えていきたいという強い思いがあります。

マリさん

「フィリピンのルーツを、日本でも子どもにもちゃんと伝えるように大事にしてもらいたいですね。自分の経験から、母語を教えずに日本語を中心にするのではなく、自分の国の言葉を家で話して、子どもと会話するようにしてほしいです。日本語と母語、両方を大事にして、子どもとお話をできるようにしてほしいです。」

【タガログ語が母語の子どもの作文をみるマリさん】

マリさんは50歳を過ぎてから、日本語教室に通って日本語を学び直し、いまの仕事につきました。フィリピンルーツの子どもにとって、母語で相談できるマリさんは心強い存在となってます。マリさん自身も学びを続け、日本語と母語両方を活かしていきたいと思っています。

マリさん

「自分が経験したことを、ほかの人が経験しないようにさみしい思いをしないように手伝いたいです。」

【ロケ地の情報】
マリさんが働く外国ルーツの子どもの学習支援を行う教室「多文化ルームKIBOU」

TEL: 0563-77-7457

月:休み 火~金:9:30-19:30 土・日:9:00-16:30

西尾市に住む子ども・若者の勉強について相談できます。
小学校入学準備のためのクラスから小学生・中学生、若者むけなど、いろいろなクラスがあります。

【アドボのレシピ】シンプルなレシピで白ご飯にあう!
【お酢がポイント ご飯が進むフィリピンのおかず】
<材料(豚バラ500gで作る場合)>
  • 豚バラ・・・500g
  • にんにく・・・3かけ
  • たまねぎ・・・1個
  • ローリエ・・・3枚
  • フィリピンのしょうゆ・・・1/2カップ程度
  • フィリピンのお酢・・・1/4カップ程度
    ※共にオンラインショップなどで購入可
  • 水・・・1/2カップ程度
  • 砂糖・・・大さじ1
  • サラダ油・こしょう・・・各適量
<レシピ>
1)材料を切り、炒める

にんにくは荒く刻み、たまねぎは薄切り、バラ肉は1cm程度の厚さに切る。
鍋に薄く油をひいて、にんにくを炒める。
たまねぎを加えてさらに炒め、バラ肉を加える。
こしょうを振り、肉の表面が全体的に色が変わる程度に炒める。

2)しょうゆと砂糖と......お酢で煮込む

しょうゆ、砂糖を加えて軽く炒める。お酢を加え、2分程度煮立たせる。

※水分が少なすぎる場合、お酢を足しても大丈夫です。

その後、ローリエを加えて、お水を加える。
肉にしょうゆの色がしみこみ、少し水分が減るまで煮込み、完成。

やはりポイントは「お酢」。日本の煮込み料理だとなかなか使わない調味料ですが......。

マリさん

「フィリピンは暑いので、フィリピンのお料理は大体、酢かレモンが入っています。よく汗をかくから、酢が入れば元気になるということではないんでしょうか」

蒸し暑いフィリピンでも食欲がわくような味付けにするため、お酢がよく使われるようです。

マリさんの作ったアドボ、取材したディレクターも実際にいただきました。
とっても、おいしい!
日本の料理で例えれば角煮に少し酸味をくわえたような味で、ほんとうにご飯に合います。お子さんたちが子どもの頃から人気のメニューだというのがよくわかりました。

【今もアドボを作り続けているマリさん】

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