2017年02月08日 (水)「防災 これを!⑩ 雪の事故にあわない!」【石垣真帆】


ラジオ第1『夕刊ゴジらじ』で毎月1回お届けしている

「防災士 石垣真帆の 防災 これを!」

私が防災士として学んだ中から「これは覚えておきたい!」と特に感じたことを、

番組リスナーのあなたにお伝えしていくコーナーです。

1月30日放送回のテーマは、

「雪の事故にあわない!」

特に犠牲者が出る確率が高い、

▽雪道での交通事故 ▽豪雪地帯での雪下ろし の2つについて

「これを!」というポイントをお伝えしました。

 

 

まずは、

【雪道での交通事故について】

ことし1月中旬の大雪では、愛知岐阜三重3県あわせて2110件も起きました。

そのうち人身事故は80件、3人が亡くなりましたが、

事故になっていなくても「ヒヤリ」としたケースはもっとあったはず。

頭ではわかっていても「ちょっとなら大丈夫」

と車を出してしまうことがあると思いますが・・・

 

これがまったく、

大丈夫ではないんです!!

 

ということを伝えたくて、

JAF愛知支部事業課 寺本浩さんに伺いました。

「まず大前提。

雪が降り積もる中に車を出すということは

いつ事故が起きてもおかしくない状況の中に入っていくということです」

そうなんです、他人事ではないんです。

雪道というのは、いつ自分の身に事故が起きてもおかしくない場なのです。

具体的にはどういうことなのか、寺本さんの解説です。

「1つは、

『車をコントロールするのが非常に難しい』ということ。

▽とっさの時にブレーキをかけても、思った以上に停まらない 

▽滑り出したらハンドルもききにくくなる 

▽雪がガラスに付着して、ワイパーがあっても非常に視界が悪くなる

2つめが、

『自分がいくら注意していても、

道路の状況や、周りの車や人の動きの予測が不可能になる』ということ。

▽雪に隠れて見えなくなった側溝に落ちるなど、注意しようがない危険ポイントができている 

▽周りの車に追突されたり、対向車線からはみ出してきたりする可能性がある。

つまり、自分が万全な対策をしていると思っていても、

事故に巻き込まれることもあるということです。」

 

特に、ノーマルタイヤで雪道に出ていくことは絶対にしないように

寺本さん いわく

「それは険しい冬の雪山に、スニーカーで気軽に行ってしまうようなもの」

(スタッドレスタイヤを持っているのなら、

週間天気予報などで「まとまった雪の可能性がある」という情報が出たら

早めに履き替えておきましょう。)

 

ただ、「スタッドレスタイヤを履いておけば絶対安心」というわけではありません。

今月中旬の大雪では、

「スタッドレスタイヤを着用していた車が、アイスバーンでブレーキをかけたが

止まりきれなかった」とみられる追突事故も起きています。

   

最後にもう一度、寺本さんの言葉。

「これまで雪道で運転して何事もなかったとしても、

それは“たまたまだった”と思うべき。

雪道の運転では“万全の備え”ということはない。

とにかく “どうしても”という場合以外は車で出かけないこと。

やむを得ず出る場合は、

他人を巻き込んでしまうなど最悪のケースも想定してください。」


 

そしてもう1つ

【雪下ろし中の事故について】


実は、この雪下ろしなど除雪中の事故は

雪の被害の中でも最も亡くなるケースが多いものなのです。

全ての雪の被害による死者・行方不明者は

毎年全国で100人から200人も出ていますが、

そのうち、
「雪下ろしなどの除雪中」の事故が 
8割~9割にも上ります。

「慣れているはずの雪下ろしの作業」で、

なぜ毎年亡くなったりケガをしたりする人が出てしまうのか?

 

「雪下ろし中」の死亡事故においては

特徴的なことがわかっています。

▽「ひとりで作業していた」時が多い

65歳以上の高齢者が多い

▽「はしごや屋根からの転落事故」が多い(原因の7割)

 

「やむを得ず、高齢者の方がひとりで雪下ろしをしている」という現実、

これはどうしようもありません。

一人で暮らしている方、昼間は家族が働きに出てしまう家庭、

誰かと一緒にやろうと思っても隣家が遠かったり、時間が合わなかったり。

でも、屋根に積もった雪の重みは待ってはくれない。

 

それに加えて(今回複数の方に伺ったところによると)

「屋根から落ちる」可能性があるとはわかっていても

毎年毎年、当たり前のようにやっている日常作業、

ヘルメットや安全装置をつけるような「面倒なことはしない」

という感覚があるようです。

 

けれども、そうした現状の中で

毎年、雪下ろしで亡くなったり、けがをしたりする人が出ているのです。

 

どうしたら、1つでも事故を減らすことができるのか。

岐阜県飛騨市消防本部の澤田仁(さわだ・ひとし)さんは

「せめて『1人でやらない』ということを意識してほしい。

色々事情もあると思うが、ご近所同士で声をかけあうなど工夫してほしい。

もし事故が起きても一緒に作業している人が連絡できれば

命が助かる確率は上がる。

その為に、助けを求める手段として携帯電話も持っていてほしい。」

とおっしゃっていました。

 

 

今回取り上げた「雪道での運転」、「雪下ろし」の事故、

共通して言えるのは

「“危ない”と頭でわかっていながらも、

“いつでも自分の身に起こり得るという危機感”は、なかなか持てない」ことだと思います。

これはすべての災害に対する私達の意識に通じるものですが、

今回取り上げた

「雪道での運転」と「雪下ろし」は

「自ら、直接、危険な場所に入る」、という行動です。

決して、何も考えずに、無防備な状態で臨まないでほしい、と

あらためて思いました。

 

投稿者:石垣 真帆 | 投稿時間:10:51


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