被爆から72年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

原爆ノート99「平和大集会」昭和50年代から60年代にかけ、核兵器廃絶を目指す平和運動は、政治的な考え方の違いなどから組織が分かれ、活動が低迷する傾向が見られました。こうした中、平成元年、被爆者医療に尽くし、反核平和運動に生涯をささげた医師の秋月辰一郎さんの呼びかけで、政党や団体の垣根を超えて核廃絶や平和への思いをひとつにしようと、「ながさき平和大集会」が始まりました。集会は当初、被爆者団体など50を超える団体などからおよそ1000人が参加して開かれ、その後、毎年6月、核廃絶や平和の尊さを訴えてきました。また、集会の実行委員会では、平成10年から、核廃絶を求める署名を国連に届ける「高校生平和大使」の派遣も始めました。さらに、委員会では、平和運動に功績のあった人をたたえる「秋月平和賞」を平成20年に創設し、平成27年は、被爆前の爆心地付近の地図を復元するなど、原爆被害の悲惨さを伝えてきた長崎の被爆者・内田伯さん(86)が受賞しています。一方で、被爆者の高齢化などで集会への参加者は300人に減っており、被爆70年となった平成27年からは、高校生と中学生を対象に戦争や被爆をテーマにした文を募集して表彰する「秋月ユース平和賞」も設けられるなど、将来の平和運動を担う若者を後押しする取り組みも進められています。
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