被爆から72年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

原爆ノート88「ノーベル賞と平和」ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したスウェーデン人の科学者、アルフレッド・ノーベルの遺産をもとに創設され、「人類のために最大の貢献をした人に与える」という遺言に基づき、授与されています。ノーベルは、自身が発明したダイナマイトが戦争に使われてきたことから、平和を強く意識したとされ、授与が始まった1901年から平和賞が設けられています。平和賞は、第2次世界大戦などの時期を除いて、平成26年までに95回、国際的な平和活動や軍縮、人道支援などの分野で大きな功績のあった128の個人と団体に授与されています。2009年には、アメリカのオバマ大統領が演説で「核兵器のない世界」の実現を呼びかけたことなどで、平和賞を受賞しました。オバマ大統領は当時、就任から1年もたっておらず、実績を伴わない受賞だという批判もありましたが、ノーベル委員会の委員長は、オバマ大統領の提案を支えなければならないとする考えを示していました。ノーベル委員会によりますと、平成27年の平和賞には、273の個人と団体が候補に推薦され、日本被団協(=日本原水爆被害者団体協議会)や、生涯を核兵器廃絶に捧げてきた長崎の被爆者・谷口稜曄さん、それに広島で被爆したサーロー節子さんなども推薦されています。受賞すれば、日本では、佐藤栄作元総理大臣以来41年ぶりとなります。ノーベル委員会が被爆70年の重みをどう受け止め評価するか、注目されます。※この原爆ノートは、平成27年10月現在の状況に基づいています。
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