被爆から72年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

長崎原爆ノート60「崎陽のあらし」「崎陽のあらし」は、原爆が投下されてから3日間の長崎の様子を描いた幅30センチ、長さ11メートルにおよぶ絵巻です。爆心地の南4点4キロの軍の司令部で被爆した深水経孝さんが被爆の10か月後、みずからが目にした光景を貼り合わせた障子紙に描き上げました。このうち、爆心地に近づくほど火災の勢いが強まる様子を描いた場面では、燃えさかる炎の中で手を合わせて祈るようにひざまずく人の姿などが描かれています。また、防空ごうの様子については、「白き骨になりたる人々あり。死体はすべて醜く腫れ上がり、男女、年齢の区別は出来ぬ」。「肉の焼けたる臭い鼻をつき呼吸困難なり」などと絵だけでは伝えきれない部分を補う文章も添えられています。長崎市被爆継承課の松尾隆課長は、「当時の様子は映像としては存在しないので、証言として描かれている絵は貴重な資料として引き継がれていくべきだ」と話しています。絵巻を所蔵する長崎原爆資料館では、今年度中に絵巻をデジタル化し、大型モニターで全体を見られるようにする予定です。この原爆ノートは平成27年7月現在の状況に基づき作成しています。
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