被爆から72年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

長崎原爆ノート18「核実験の現状」人類初の核実験は、広島と長崎に原子爆弾が投下される3週間前、1945年7月16日、アメリカ・ニューメキシコ州のアラモゴードで行われました。戦後、アメリカとソビエトが対立を深めるなか、ソビエトも1949年に核実験に成功。その後、イギリス、フランス、中国も核実験に成功し、最も多かった1960年代前半には、1年間で170回あまりの実験が行われたとされています。核実験が行われたアメリカのネバダ州や旧ソビエトのカザフスタンの実験場、それにビキニ環礁などでは、周辺の住民らに被ばくによる健康被害が報告されたことなどから、反対運動が高まり、1963年、大気圏内などでの核実験を禁止する条約PTBTが締結されました。その後、1996年には核爆発を起こす実験を禁止するCTBT=包括的核実験禁止条約が国連総会で採択されました。しかし、アメリカは、核分裂が連鎖的に起きる「臨界」に達する前の状態で行う核爆発を伴わない「臨界前核実験」や、特殊な装置で爆発に近い状態を作り出す新しいタイプの「核性能実験」を続けています。また、インドやパキスタンも1990年代に核実験を行っているほか、北朝鮮は国際社会の反対を押し切り、2006年以降、3回核実験を強行しています。
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