被爆から72年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

原爆ノート106「被爆樹木」「被爆樹木」は、原爆の熱線や爆風に耐え、今も生き長らえるクスノキやイチョウなどの樹木で、長崎市では、原爆の惨禍を伝える「被爆遺構」の一種として認定しています。長崎市によりますと、被爆樹木は、爆心地からおよそ4キロほどの範囲にあわせて48本が確認されています。また広島市内では、およそ170本が被爆樹木として認定されているということです。長崎の被爆樹木のうち、爆心地の南東800メートルにある山王神社の「被爆クスノキ」は、原爆の熱線で焼け焦げ、爆風で飛ばされたものの、2か月後、焼け残った幹から新芽を出して成長しました。クスノキは、原爆からの復興のシンボルとなり、平成26年には、長崎市出身の歌手・福山雅治さんが歌ったことから、再び注目されました。長崎原爆資料館などでは、「被爆クスノキ」の苗木を配る取り組みを16年前から行っていて、これまでに全国各地の自治体にあわせて500本を配っています。一方で、被爆樹木には、樹齢数百年になるものも多く、防腐処理や土の入れ替えなど樹木医による専門的な治療が欠かせないものもあることから、長崎市では平成10年から、治療費の4分の3を肩代わりして保存に努めています。また、長崎の被爆樹木は、個人の住宅などにあるものも多く、保存や管理を今後どう行うかが課題になっています。
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