2023/03/16(Thu) 18:30!今年のブログの頭文字!

皆さん、こんにちは。
気象予報士の佐藤です。
そして幸せ者の佐藤です。

2020年11月、宮城から信州に来る際、私は自分にルールをもうけました。

視聴者の皆さんの言葉を信じること。

普通は、皆さんに私の天気予報を「信じさせなきゃいけない」のかもしれませんが、この逆転現象には理由があります。

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理由を語ろうとする佐藤


私は信州にくる年の夏、史上最大の味方であり、宇宙一私のファンである、祖母(以下「ばあば」)を亡くしました。

私が気象予報士になりたての頃から、ばあばは私のつたない天気予報を全て見ては
「服がよかった」
「姿勢がいい」
「声が聞き取りやすい」
「外が寒そうなのが伝わってきた」
「最後にニコッとしてくれた」
「手の指し方がきれいだった」
「言葉選びが上手になってきた」
など、ことごとく褒め倒してくれる存在でした。

よくそんなに褒めるところを見つけてくれるよなぁと照れくささを覚えながらも、当時はばあばの言葉を信じて頑張っていました。

そんなばあばがいなくなった途端、きょうの出来はどうだったのか全くわからず、「よかったよ」「いつも見てるよ」といったありがたい言葉にも「え?ほんとに??」と疑ってかかるようになってしまいました。近しい人からのエールやフォローも「もっと頑張れってこと?」「私ができないからみんな優しいの?」と、いま思うと絶対に彼女にしたくないタイプの思考回路になっていました。これはモテない。

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モテない自分をふりかえる佐藤

結局、ばあばは身内だから無理やり褒めてくれていたんだろうな~と、自分のポテンシャルを見切った矢先に就任したのがNHK長野。

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「あたしゃこんなもん」と諦めきった様子の佐藤

きっとここが気象キャスターとして働ける最後の場所になるだろうから、かつてばあばが褒めてくれたところを全部思い出してみようか。そして、もしばあばと同じことを言ってくれる人が1人でもいたら、その言葉をまるっと信じちゃおう、と決めたのです。

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信じようと決めた様子の佐藤

その結果、ばあばが褒めてくれたポイントは信州の皆さんの言葉でどんどん上書きされていきました。町でお声がけいただいたり、お手紙やメールをいただく度に、うれしくてうれしくて、あとでこっそり泣いたりしました。NHK長野の女子トイレの個室がなかなか空かない時があるのは、そういう理由です。

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皆さんからの言葉を信じた私は、めきめきヤル気を取り戻しました。とにかく皆さんに見てほしくて、認められたくて、天気の面白さを知ってほしくて、手を変え品を変え、あらゆる伝え方に挑戦した2年間となりました。

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褒められて伸びるタイプの佐藤

つまり、私をこんな自由な気象予報士に仕立てあげたのは、間違いなく信州の皆さんなのです。あたたかい言葉が、まるまる私の栄養になりました。皆さんの顔写真で「私たちが育てました」という生産者シールを作って全身に貼りたいくらいです。

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しかし生産者である皆さんはきっと、私の顔や名前なんてそのうち思い出せなくなります。でもそれでいいのです。
「何か昔、洗濯物の干し方をやたら教えてくる気象予報士がいてさ、今もそのやり方で干してるんだ」
「誰か忘れたけど、小道具を作って御神渡りの仕組みを説明してた人いたよね」
と、わずかでも皆さんの暮らしや知識の足しになっていたらこれほどうれしいことはありません。

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私からの言葉は一握りも残らないかもしれませんが、私が皆さんからいただいた言葉は全て残ります。私のために言葉を紡いでくれたご恩は、自分の年齢を忘れる頃になっても忘れません。孫の代まで語っちゃいます。

たくさんの言葉の栄養をおくっていただき、本当にありがとうございました。伸びしろや目標という航路を見失っていた私ですが、おかげさまでまた飛び立てそうです。

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4月からNHKでは
(月)(火)19:00 ラジオ「Nらじ」
(月)~(金)22:00 ラジオ「NHKジャーナル」
に出演予定です。

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最後に私から、一握りのメッセージを。

【2023年ブログ一覧】
あらたな気持ちで
りんごの夢
がぞうで慣用句
とりあつかい注意
うそみたいに難しい
だれ?別人製造器
いつも一緒にいたのに
すこしも似ない
きおくに残らない顔、佐藤
!今年のブログの頭文字!

それではまたいつか。

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投稿者:佐藤可奈子 | 

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