2021/10/28(Thu) 17:00「ばあば」と「みょうが」
皆さんこんにちは。
気象予報士の佐藤です。
もうすぐハロウィーンですが、
私は大人なので誰にも脅しをかけずに
自分のお菓子は自分で用意しようと思います。
(ハロウィンらしいポーズが浮かばなかった佐藤)
欲しいものは自分で買える年齢になっても
お菓子より甘~く、私を甘やかす存在がいます。
祖母です。
今回は、私の祖母「ばあば」に関する
ちょっと不思議なお話をつづります。
ばあばとは、去年コロナ禍でほとんど会えず
たまに電話をしていました。
ばあば「ちゃんと食べてるの?」
私「けっこう自炊してるよ~」
ばあば「どんなものを作るの?」
私「あ、すごく簡単だけど美味しい料理があってね」
と、私は「みょうが」を使ったレシピを説明しました。
見た通りなのですが、
①みょうがを千切りにして
②生ハムで巻いて
③オリーブオイルとこしょうをかける
それだけです。
これがたまらなくおいしいので皆さんもお試しあれ。
②の工程すら面倒なときは省略して、
みょうがと生ハムを一緒に口に放り込んでください。
これを聞いたばあばは
「おじいちゃんも好きだと思うから
次に会ったとき作ってあげて」
と言いました。
その時は
「おっけ~」
と軽く返事をして電話を終えたのですが、
それがばあばとの最後の会話になってしまいました。
電話の数日後、ばあばは亡くなりました。
仙台から喪服を持って祖母の家に行くと、
祖父と叔母が夕飯の準備を始めていました。
祖母がいない景色に違和感を持ちつつ
ぼーっと食卓に視線を移すと……
みょうがと生ハムが無造作に置かれていました。
(当時の二度見を再現しました)
なぜ、みょうがと生ハムが……?
ばあば以外に「みょうがの生ハム巻き」のことは
話していないはずです。
叔母に尋ねると
みょうがは先ほど祖父が庭から摘んできたもの、
生ハムはいただきものがあったので出しておいた、
とのこと……。
叔母「特にどっちも使い道は決まってないから
サラダとか冷奴(ひややっこ)にでも乗せる?」
なんと、2つの食材とも
持て余しているところでした。
「それなら、私にかして…!」
ばあばとの最後の約束を果たすときが来た!
しかも急に!
うおおおおおおおおおお!!!!!!!
私はばあばとの思い出の数だけ
みょうがを千切りにしていきました。
巻け巻け巻けええええええええ!!!!
私は生ハムと一緒に
ばあばを失った悲しみをくるみました。
いっけえええええええええええ!!!!
かけたオリーブオイルは
私が流した涙と同じ量だったといいます。
(かけすぎ注意)
そして遂にあっという間にできた
「みょうがの生ハム巻き」を、
私以上に悲しみに暮れているであろう
祖父がぱくり……。
ごくり……。
祖父「なんだこれ、うまい!」
やった、やったぞ……!
きっと、このみょうがと生ハムは
ばあばが連れてきてくれたんだよね☆
このブログを親愛なる祖母、ばあばに捧ぐ
~fin~
…と、偶然にも
祖母との約束が最速で果たされたというお話です。
あまり感動的に書くと
別日のブログのくだらなさが際立つので
ポップに仕上げました。
それではまた!
投稿者:佐藤可奈子 |