【2019年2月15日(金)放送 ゆる信ワイド! 信州!安心生活の心得 「雪害」より】


雪害


今回のテーマは雪の害「雪害」です。
暦の上では春ですが、雪国信州ではまだまだ雪が降りますよね。恵みの雪になることももちろんありますが、気を付けなければいけないこともあります。
今回は「雪との付き合い方」について、長野県 危機管理部 危機管理防災課 防災係 斉藤健郎(さいとう・けんろう)さんに教えていただきます。


Q:まず今年は暖冬と言われていますが、これまでの被害は例年と比べてどうですか?


斉藤さん:現在までのところ、例年に比べると雪害の報告は、少ない状況です。
今までに長野県へ報告をいただいている雪害の状況は、お亡くなりになった方が1名、負傷された方が16名となっております。昨年の同時期に比べますと、お亡くなりになった方が5名、負傷された方が16名少なくなっています。降積雪量が少ないことが影響しているものと考えられます。

Q:去年よりは少ないものの、死傷者が出ているんですね。その理由・内訳はどうなっていますか?


斉藤さん:死傷者のうち、屋根の雪下ろしで転落などされた方が8名、そのうち1名の方がお亡くなりになっています。除雪機により負傷された方が6名、その他除雪中に転倒などにより負傷された方が3名となっています。やはり、屋根の雪下ろしや除雪機による事故が多くなっています。

Q:屋根の雪下ろしについて、気を付けるべき点を改めて教えてください。


斉藤さん:屋根の雪下ろしでご注意いただきたい点は、
■まず、家族、となり近所にもお声をかけ、必ず2人以上で行うようにしてください。
■面倒でも命綱とヘルメットを必ず着用するようにしてください。
■建物のまわりに雪を残して雪下ろしをすると、万一転落した場合のクッションになる場合があります。
■低い屋根でも油断は禁物です。1階の屋根から転落して負傷される方もいます。

2人以上、命綱とヘルメットの着用、建物の周りにクッション代わりの雪を残しておく、
低い屋根でも油断しない、ということが大切なんですね。

斉藤さん:また、晴れた日などは屋根の雪が緩み、屋根からの落雪により負傷される方もいますので、ご注意ください。

暖かい日こそ、気を付けなければいけないですね。


Q:雪下ろしについて、県で取り組んでいることはありますか。


斉藤さん:長野県では、屋根の雪下ろし中の転落事故を減らすため、来年度から屋根に命綱を固定するアンカーの設置費用について、市町村を通じて補助することを検討していますので、決まり次第、お知らせいたします。

Q:次に除雪機による作業で気をつけるべき点も教えて頂けますか。


斉藤さん:除雪機による作業では、除雪機の取扱い上の注意を守り正しく使用してください。
例えば、安全装置が正しく作動しない状態では絶対に使用しない、除雪機の投雪口に詰まった雪を取り除く際は、必ずエンジンを停止し、鍵を抜く、などです。また、除雪作業を行うことを家族や近隣の人などに声かけし、作業中は周囲に人がいないことを確認し、人を近づけさせないようにしてください。

きちんと注意を守って使うこと、基本的なところが最も重要なんですね。こういったことも気を付けながら、まだまだ油断せずに雪と付き合っていきたいですね。

斉藤さん:はい。平成26年2月14日から16日にかけて長野県でも大雪災害に見舞われ、4名の尊い命が失われ、負傷者は57名にものぼりました。また、多くの道路が通行止めとなり、自衛隊による道路の除雪作業も行われました。まだまだ、大雪による災害が発生する可能性は十分にありますので、気を緩めないようにしてほしいです。

Q:今日はかわいらしいキャラクターも一緒に来ていただいたんですよね。


斉藤さん:「防災ダック」と言います。
県では、子供たちに防災について教えてくれる人を探していて、「鳥の手も借りたい」と思っていたところ、ダックちゃんが飛来してくれました(笑)
ダックちゃんには、子供たちに防災に関するポーズを教えるため、県内中を飛び回ってもらっています。
ポーズというのは、たとえば、地震のときに頭を守るポーズなどです。最近は、長野県防災ツイッターで、日々地道に防災の普及・啓発もしていますので、フォローしてくださいね。また、ダックちゃんをきっかけにして、子供たちが防災について興味を持ってくれればと思っています。身を焦がす思いで頑張っているダックちゃんをぜひ応援してください。

Q:最後にメッセージをお願いします。


斉藤さん:「自らの命は自らが守る」
行政主導のハード対策、ソフト対策には限界があります。災害時には自らの判断で適切な行動を取る必要があります。県といたしましても住民の皆様が適切な避難行動をとれるよう最大限の支援を行いますが、住民の皆様にも「自らの命は自らが守る」意識を持っていただければと思います。

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