

ニュースの中のことばをわかりやすく解説する「ニュースの?」のコーナーです。今回は暴力団を社会から排除するための条例「暴力団排除条例」についてお伝えします。
今までも暴力団を取り締まる法律があったと思いますが、なぜ新たな条例が必要なんでしょう?。

暴力団を取り締まる法律としては「暴力団対策法」があります。暴力団の資金源を絶つため、平成4年に設けられました。この法律に一定の効果はあったんですが、暴力団は、その後もなくなっていません。
暴力団とわかっていながら、その力を利用するために利益を提供する人もいて、完全に資金源を絶つに至っていないのが現状なんです。それを補うのが、今回の条例の目的です。同じような条例は、来月までにすべての都道府県で施行されます。

どんなところが特徴なのでしょうか?。


最大のポイントは「暴力団への資金提供や取り引きの禁止」です。

これまでの法律でも、禁止されていたんですよね?。


もちろん、暴力団員が、不当な要求をすることは禁じられています。ところが、これまで、罰せられるのは、暴力団の側だけだったんです。
今回の条例では、「暴力団に利益を提供する側にもペナルティー」が与えられるようになりました。

つまり暴力団に不当な行為をやめさせるだけではなく、われわれ一般の個人や企業にも、暴力団と付き合わないことを求めているんですね。
ここでいう、暴力団への資金の提供や取り引きとは、どのようなケースを指すのでしょうか?。


想定されるケースとしては、まず飲食店などが、暴力団にみかじめ料や用心棒代を払うことです。

さらに暴力団の事務所に使われると知っているのに、土地や建物を売ったり、貸したりすることも禁止されます。

襲名披露やパーティー、それにゴルフ大会など、暴力団の行事とわかっているのに、会場を貸したり使わせたりすることです。
こうした場合、暴力団に利益を提供した側にも、ペナルティーが与えられます。さらに今回の条例には、長野県独自の内容も盛り込まれています。

どんな内容ですか?。


暴力団関係者をお祭りや行事から締め出すことです。県内には、去年行われた御柱祭をはじめ、善光寺の御開帳など、全国的に知られるものから小規模なものまで、さまざま祭りや行事が各地で行われています。
条例では、祭りや行事の際に、暴力団員に「露店を出させる」ことや、「みこしを担がせる」ことなども禁止しているんです。

では条例に違反して、暴力団とつきあったり、利益を提供したりしたら、どんなペナルティーがあるのですか?。


まず暴力団とわかっていながら、資金を提供したり、取り引きしたりしたことが確認できた場合、県の公安委員会が、その事業者にやめるよう「勧告」します。それに従わない場合、事業者の名前が県の公報や県警のホームページなどに公表されます。
ただ警察では、今回の条例は、事業者を罰することを目的にしているのではなく、逆に暴力団から不当な要求があった場合、「条例があるから…」と断る理由として使ってもらうことを期待しています。

なるほど。条例を「盾」にして、暴力団からの不当な要求を断ってほしいということなんですね。そうすれば、結果として、暴力団の資金源が絶てますね。
この条例以外に、わたしたちは今後、暴力団を完全になくすために、どういう姿勢で臨めばいいのでしょうか?。

まずは、暴力団が反社会的な集団で、一切の関係を持ってはならないとしっかり認識すること。そして、「暴力団は必要悪」とか、「任侠はかっこいい」とかいう、間違った考えを持たないことです。そのうえで不当な要求に毅然とした態度で臨むことが必要ですが、その場合、身辺に危険が及ぶおそれもあるので、自分たちだけで対応しようとせず、警察に相談してください。
また最近の暴力団は、組織とのつながりを隠して、資金を集めていると言われています。警察でも、暴力団の実態が把握しにくくなっているので、気になったことがあれば、最寄りの警察署まで、何でも情報を寄せてほしいと呼びかけています。暴力団を排除するために、私たちも、できることから取り組んでいくことが求められていると思います。