2024年3月22日で放送は99歳!

2024年3月21日

 みなさん、3月22日は「放送記念日」であることをご存じでしたか?
この日は日本のラジオ放送がはじまった日なのです。1925年の3月22日、今から99年前のことでした。そこで、ラジオ放送がはじまった経緯を簡単にご紹介しましょう。
  19世紀末からラジオ放送の研究は進み、世界各地の科学者や発明家が競い合うように技術の開発に努めたそうです。そして1920年、アメリカでラジオの商業放送がはじまり、ラジオ事業化の波は世界に広がっていきます。そのころ、日本では大災害が起こりました。1923年9月1日の関東大震災です。震災直後の深刻な情報断絶や混乱の経験から、ラジオによる正確な情報を速やかに広く伝えることの重要性を求める声が国内に広がり、ラジオ放送が開始されるのです。

芝浦の仮送信所の演奏室(スタジオ)
机の右側に室温を下げるための氷柱が見える。

 

 とはいえ、放送開始は相当バタバタで始まったそうです。数多くの民間企業や地方自治体から放送局の設立希望が集まり、国は事業社を絞らねばならず、最終的には東京放送局JOAKに加えて大阪放送局JOBK、そして名古屋放送局JOCKの3つの社団法人(現在のNHKの前身)が設立されこの3法人に対して事業免許が与えられました。最初に放送を始めたのはJOAK。当初は1925年3月1日から放送開始予定でしたが、送信設備の手配・調整に手間取り、国の検査に通らなかったため、3月1日からとりあえず「試験放送」を開始。その後も技術的準備を進めて、やっと国の検査を通り、3月22日から本格的な放送を開始したのです。

 ちなみに、この時点では放送を開始した場所は東京の芝浦にあった東京高等工芸学校の校舎を借用して設けた仮のスタジオと送信室でした。NHK放送博物館では、この仮放送のスタジオを再現したセットや、当時使われていたマイクを展示しています。

当館3Fのヒストリーコーナーにて展示中

 なお現在NHK放送博物館がある愛宕山に建設された本来の放送局、愛宕山演奏所から本放送が始まったのは1925年7月12日のことでした。 こちらもお読みください→【7.12って何?】

 さて、というわけで2024年の3月22日は放送の99歳の誕生日なのです。ということは、来年2025年は100歳!放送にとっては、まさにメモリアルイヤーなのです。NHK放送博物館では、今年から来年にかけて放送開始100年を記念したさまざまな企画展示をご用意していますので、ぜひ、ご覧ください!

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