インタビュー

トリーシア役

壇蜜さん

“俗っぽい”私がファンタジーに出演!?

いつもドラマのお仕事をいただいたときに思うことといえば、「何かの間違いじゃないか?」か「ほかにやる人がいなかったのかなぁ」のどちらか。今回も、この作品の世界観に自分が入る余地はあるのだろうかと…。“ファンタジー”というからには、見る人に夢や希望を抱かせたり、ある意味教訓のようなものもなきゃいけない…というか、そういったことをより強く感じさせるために “ファンタジー”という形があるのではと私は思っているのですが、果たしてその中に私がいていいのかなって。だって私、存在が“俗っぽい”ですからね(笑)。

ただ、作品の概要をお伺いして感じたのは、この物語やトリーシアを取り巻く“嫉妬”や“執着”という感情は、決して未知の感情ではなく、今生きている世の中にしっかりと存在しているものだということ。ですから、現代劇であってもファンタジーであってもそこに違いはないだろうと。特にトリーシアは、そういった現世に存在するリアルな感情が彼女自身の感情のベースにある人物だから、不安はありましたが、なんとかなるかなぁとは思いましたね。

トリーシアみたいな女の人、結構いそう

トリーシアって男運が悪い! どんなに台本を読み込んでも、結局アスラとチキサの父親が誰なのかがピンとこないし、ケガをしたイケメン…イーハンを助けたけれど、そのせいで自分の家を焼かれちゃうし…男運の悪い人だなぁって(笑)。たぶん彼女自身も「私って99.9%男運が悪い」って気付いていると思うんですよ。でも100%とは言いたくなくて、残りの0.1%で「いつか一生を添い遂げられるような人と出会えたら」って。そしてそれすらもかなわないかも…と思っているところに、「神の化身」と言われた娘のアスラの存在が励みになったと思うんです。

トリーシアみたいな女の人、今の日本にも結構いそうじゃないですか。自分の子どもが「神の化身だ」みたいなことを聞いて「私がこの子を導いてやらなきゃ」って狂信的にのめり込む姿が、ありがちな感じがして(笑)。たぶんキャリアもそれなりにある女性だろうし、そんなにバカじゃない。男の人に依存するタイプじゃないがゆえに、“自立心”と“依存心”と“女としての在り方”みたいなものが自分の中でぶつかった結果、今2人の子どもをひとりで育てている現実があるという…。トリーシアのそういうところが、すごく今っぽいと思うんです。

相手の持ち物が高そうだったら、ねんごろになっちゃダメ!

私と似ている部分もすごくあるなと感じます。依存と自立の間でゆれる中、「心機一転だ!」って環境を変えるたびに、状況がひどくなっていく感じ(笑)。転職するほど現場がキツイ…みたいな。そして、自分で変えた環境になじまなくちゃと思うけど…例えば、トリーシアも娘が神の化身と言われて、「その状況に合わせなきゃ」「この子を導かなくちゃ」と思ったのでしょうけれど、結局自分ががんじがらめになっちゃって…。そんなトリーシアの世渡り上手ではないところは、自分に似ていると感じますね。…あれは銀座で一番になれないタイプだな(笑)。でも一番になれない自分を大事にできる人だと思うんです。

身分や種族が違う恋愛で被害を被るのって、だいたい女性だと思いませんか? 女って損ですよね…。もし私がトリーシアなら、イーハンと知り合ったときに、相手の持ち物が高価そうなものだったらサッと身を引きます! とりあえず応急処置だけをして早々に帰しますね。手アカすらつけちゃいけません。ねんごろになるなんてもってのほか! あれだけ用心深い彼女が、なぜそんな危険な行為に陥ったのか。そこだけは唯一共感できません。まぁ…好きになってしまったものはしょうがないし、それにトリーシアとイーハンがねんごろにならないと、この物語は展開しないですからねぇ。