インタビュー

チャグム役

板垣瑞生さん

チャグムらしさをちょっとずつ見つけていきました

「世界を愛してください。世界を救ってあげてください」、原作の上橋先生に初めてお会いして「チャグム役です」とごあいさつしたときに、そう言っていただきました。この言葉は今でもずーっと僕の芯(しん)に残っていますね。原作も人気のある、こんなにも大きな作品に携われるのはすごくうれしくて、光栄だなって思いました。

…ですが正直、ファンタジーにあまりなじみのなかった僕にとっては、自信がなかったですし、台本を読んでも、初めは世界観も人物像もはっきりとつかめずに混乱もしました。ですので最初のほうは、チャグムはすごく重いものを背負っている暗い少年なのかなって思って、つらさを引きずって演じていましたね。

監督には、「王子らしさも必要だけど、チャグムらしさをもっと出してほしい。チャグムは冒険活劇に登場する少年のような人物だから、そこをよろしくね」と言われました。こんなふうに監督や、あと役者さんなどさまざまな方とお話して、チャグムはこういう人なんだっていうのをちょっとずつ見つけていった感じです。

周りの方々に“栄養” をもらって成長したチャグムと僕

いろんな方とお芝居をしていくうちに、チャグムは自分から人と関わっていく、好奇心が強くて、感情が豊かな少年だなと思うようになりました。すぐ泣くし、怒るし、ときどき弱虫になるところはシーズン2でも相変わらずですね。「国や民を救いたい!」という強い気持ちが常にあって、それが自分の“心の炎”を消さずにいさせているんです。ですから、チャグムは戦場に追いやられてもそれを「新しい冒険に出られるんだ」と前向きに捉えられるのだと思います。

また、チャグムの視点を通して「この人はここがスゴイなあ」という、いろんな役者さんの魅力を目の当たりにして、たくさんの“栄養”をいただきました。それはチャグムにとってのものであり、僕自身にとってのものでもあったと感じますね。チャグムが、バルサをはじめいろんな人から愛情を受けたから、つらいことも乗り越えて成長していけるように、僕も皆さんに力をいただけたから、難しいシーンも乗り越えるときが楽しいと感じられるようになったのだと思います。

振り返ると、人に対する僕の好奇心はチャグムと似ているなと感じます。演じるうちに似たのかもしれませんが(笑)。もともとは人見知りなので、初めのころはものすごく緊張しましたし、全然しゃべれなかったんです。ですが、だんだんいろんな人と話せるようになりました。特に、ヒューゴ役の鈴木さんとラウル役の高良さんには、質問もいっぱいしましたし、世界遺産のことから、「今のうちにたくさん叱られた方がいいよ」などというアドバイスまで、本当にいろんなことをお話していただきましたね。

今回はいろんなことが初めてづくし

すごい先輩の方々と触れ合えましたし、今回はとにかくいろんなことが初めてづくしでした。中でも忘れられないのが、タルシュ兵から逃れて、バシャバシャバシャーッて川を渡っていくシーンですね(第9話)。長野の山奥での撮影だったのですが、生まれて初めて“雪どけ水”というものを体感して、「川ってこんなにヤバイんだ!」って思いました。冷たいんじゃなくて痛いんですよ。いや、痛いも通り越して…あ、これ感覚なくなるかな〜っていう感じで。でもそれも楽しかったです。あの経験があったからこそ、今この話ができるって…すごく幸せなことですよね。

アクションも初挑戦だったんです。それで僕、生まれて初めてプロテインを飲みました。ちょっと体も鍛えましたよ。武術の経験もなく本当にゼロからのスタートでしたのですごく戸惑いましたね。アクションの最中にも感情が入って、動きが変わったりするんです。それをどうしていくかとかが…大変でした。とても集中するので、アクションのあった日の夜は、ぶっ倒れて死んだように寝ていました(笑)。でも楽しかったなあ。

大変なこともありましたが、本当に何をやっても楽しい現場でしたね。シーズン1での、バルサが好き、人が好きという思いを大切にしつつ、シーズン2でもチャグムはいろんなことに全力で挑んでぶつかっていきました。その冒険していく姿をたくさんの人に楽しんでいただけたらなと思います。シーズン3も全力でぶつかります!