みどころ

精霊の守り人 
悲しき破壊神

2017年(平成29年)1月21日(土)スタート
NHK総合 毎週土曜 午後9時00分から9時58分
<連続9回 内容58分>
※3月11日は放送休止です

お尋ね者となった女用心棒バルサと、
新ヨゴ国の皇太子となったチャグム。
別れ別れとなったふたりの冒険が、再び始まる!

チャグムと精霊の卵を守り通したバルサ。自分の父、そして育て親・ジグロの敵であるカンバル国王・ログサムを暗殺しようとしたが叶わなかった。それから4年。チャグムは新ヨゴ国の皇太子となり、バルサは暗殺未遂のためお尋ね者に。バルサは隣国のロタ王国に身を潜め、用心棒稼業を続けていた。

そんな中、バルサは一人の少女を人身売買から救う。少女の名はアスラ。アスラは、彼女の民族が崇める破壊神・タルハマヤをその身に宿していた。アスラが怒り、その神を召喚すれば、彼女の周りには無残な死体しか残らない。その存在を危険視するロタ王国の呪術師親子・シハナとスファルが、アスラを殺そうと迫り来る。再び、バルサの死闘の旅が始まる。かつて、守り抜いたチャグムの面影をアスラに重ねるかのように。

一方、チャグムは南方の大国・タルシュ帝国が、海の国・サンガル王国に侵攻するという状況を受け、救援の為に航海へ出るが、サンガルは既にタルシュの軍門に下っていた。チャグムは囚われの身となってしまう。バルサとチャグムの命運は、果たして...。


原作者のことば 上橋菜穂子

遥かなる物語への飛翔

シーズン2の第一話と第二話を見終わって、私はいま、自分でも何とも定めがたい感情に揺さぶられています。
そうか、私は、こういう物語を書いていたのか……という思いが全身にぶつかってきて、鼓動がしずまってくれないのです。
生き物はみな、自分の命を必死に守って生きていますが、自らを守るために他者を傷つけるとき、他者を刺した刃は、我が心をも深く突き刺すものです。
他者を破壊する力は、快感と苦悩を同時に与える双面をもち、ありきたりの理屈などでは歯が立たない、恐ろしい矛盾の塊です。
「○○ファースト」という言葉が大波となって世界を覆いはじめた時代に、この物語がテレビドラマとして世にでていく。
このドラマを観た人たちは、何を思うでしょう。いずこの文化にも属さない色彩豊かな異世界の、遥かなる天空を鷹とともに飛び、大海原を船で旅し、大草原を馬で駆けながら、自分たちが生きている世界の姿を、透かし絵のように見るのでしょうか。
シーズン1から4年の歳月を経たシーズン2のバルサは、もう、シーズン1の、どこか危うい、若い娘ではありません。チャグムもまた、真っ直ぐな眼差しが印象的な少年に成長しています。
原作のバルサそのものの、静かに悲しみと向かい合うようになったバルサと、大海原に乗り出し、荒波に翻弄されながらも、かすかな希望を必死に追い求めるチャグムとともに、この激しく、美しいドラマの中を生き抜いていただけたら、幸せです。

脚本家のことば 大森寿美男

ファンタジーとは不思議なもので、現実世界と繋がる要素が増えてゆくほどに、寓話性も増してゆきます。決して我々の手が届くことのない嘘の世界が、こちらの世界を映し出す合わせ鏡のように変貌してゆきます。大袈裟に言えば、それは、この世に物語が存在することの意義を示してゆくことかもしれません。
シーズン1では、常人の目には映らない精霊の世界と人間の世界の不思議な融合を示す中で、バルサとチャグムの運命的な出会いと別れが描かれました。
シーズン2では、そこに国と国との争い、民族の間に生じてしまう差別意識、神の力に帰依する人間の精神などが複雑に絡み合う中で、チャグムを失ったあとのバルサの葛藤や、バルサを忘れないチャグムの成長が描かれてゆきます。
果たして、二人の運命的な再会はあるのか......?
この守り人シリーズは、あたかも純粋に物語の存在意義を問い、物語る行為の深淵に迫ろうとしているかのようにも思えます。
それが、世界とも繋がる上橋作品の凄み、素晴らしさなのだと思います。
我々もいよいよ、この国で、ファンタジー大作というドラマを創ることの深淵に迫ろうとしています。
どうか大袈裟に、その存在意義を問い、キャスト・スタッフの冒険を激しく見守ってくだされば、望外の喜びです。

制作のことば 海辺潔

「殺させない」そして「生きる」
とてもシンプルなテーマなのに心がザワザワするのは、時代のせいでしょうか。
でも、そんなことより大事なのはエンターテインメント作品だということ。
物語っていいな。芝居ってすごいな。ドラマって可能性の宝庫じゃん。
作り手側であることを忘れて見入ってしまいました。隅々まで、そして何度でも楽しめると思います。今はただ、少しでも多くの人にバルサとチャグムの物語に身を委ねて欲しいと願うばかりです。

演出のことば 加藤拓

「ロタ王国」の街並み、「カシャル」の呪術、「タルハマヤ」の伝説…この「見知らぬ世界」を駆け抜けるバルサたちのドラマをお届けできることをとても嬉しく思います。
このドラマを創るための無数のアイデア、空想、挑戦が生み出した、「見知らぬ」けれども「どこかにありそうな」世界。この「創造の王国」で起こる神秘と冒険に満ち溢れた物語の世界をどうぞお楽しみください。