サッカーJ3の現実 宮崎テゲバのアウェー戦に密着したら超過酷
- 2023年11月06日
J3は北は青森から南は沖縄まで、多くのチームが地方都市に点在しています。
今回はテゲバジャーロ宮崎の協力を得て、首位を走る愛媛FCとのアウェー戦に同行しました。
キックオフは15時
視聴者の疑問や質問に答える「てげ探!」今回は視聴者から寄せられた「サッカーJ3のテゲバジャーロ宮崎の選手たちのアウェー遠征は、どういうスケジュールで動いているんですか?」という疑問を取材します。
調査員は佐々木桃子キャスターと玉木絢子記者!
宮崎から愛媛FCが本拠地を置く松山市までは直線距離でおよそ250キロ。青森などと比べると近そうにも感じますが、アウェー戦の過酷さを知ることができました。
遠征スタート
試合前日の午前7時半。宮崎市内の駐車場に止まった1台のバス。監督に、選手たち、続々と集まってきました。選手やスタッフおよそ30人をのせて、愛媛までの遠征はここがスタート地点、調査開始です。
選手たちを乗せたバスは、宮崎市内の市街地を抜け、高速道路に入ります。そこから東九州道をひたすら北へ。休憩も挟んで3時間あまり、やってきたのは大分県の臼杵港、ここからフェリーで四国に渡ります。愛媛の港まで2時間半の旅です。
船のなかでは
選手は2つの部屋に分かれます。1つの部屋はほぼ全員が横になって休んでいました。試合に向けて少しでも体力を残しておきます。
もう、ひと部屋では、ディフェンダーの西岡大志選手がマッサージ。そして、その隣では同じくディフェンダーの奥田裕貴選手が読書をしています。本のタイトルは『科学が解き明かした成功の普遍的法則』難しそうな本を読んでいますが「サッカーはやっぱりメンタルが大事だと思うんで、こういう本からも学ぶことはたくさんあるのかな」とのこと。
とっても仲がいい2人はリラックスした時間を過ごします。
そして共有スペースにも選手の姿が。キーパーの植田峻佑選手は2児のパパ、画面を埋め尽くしているのは子どもの写真です。
ちょっと写真の整理をしています。上の子が最近応援してくれるようになって『絶対勝ってね』って言われて『頑張ります』って。子どもに言われたらもう何も言えないですよ。『なんで負けんの、なんで点取られんの』っていつも言われるから『すいません』って言ってます。
思い思いに船を過ごし、フェリーは四国へと向かいます。そして、愛媛に到着してからも移動は続き、車で70キロを走り、 宮崎を発ってから8時間、ついに目的地の松山市に到着です。
息つく暇もなく…
松山に到着してから、休むことなく前日練習へ向かいますが、選手たちが向かった先はサッカー場ではなく・・・、百貨店の屋上にあるフットサル場です。クラブによるとアウェーでは広い練習場所が確保できず、やむを得ずこうした場所で調整することもあるということです。
練習が終わりホテルに着くと、お待ちかねの夕食タイム。1試合で10キロ前後走るサッカー。エネルギー補給も仕事のうち。栄養バランスが考えられた献立に選手たちも「これ(食事)楽しみで来てますもん。だからまだ頑張れます」と頼もしい一言。
だだし、食あたりのリスクを回避するため、刺身などの生ものはNG。消化に悪い揚げ物もありません。多くの選手が口にしていたのが、納豆などの発酵食品。体の中のコンディションにも気を遣っています。
試合前に腹壊してもしょうがないので、しっかりとおなかの調子を整えるためにも発酵食品は意識的にとるようにしています
準備は夜中まで
ホテルの一室をカスタムしたこちらの部屋はケアルーム。選手1人につき30分。2人のトレーナーで希望者全員に対応します。この時間はフォワードの髙橋一輝選手。練習や長旅の疲労を取り除いていきます。
髙橋選手の場合、利き足の右足には針で電流を流して念入りにするなど、ケアの内容は1人1人細かく異なります。全員終わったのは、午後11時すぎでした。
いざ試合へ
迎えた当日。午後3時のキックオフへ、午後0時30分にホテルを出発します。
アウェーとはいえ、しっかりと勝ち点3をとりにまずはゴールを目指してやっていきます。きょうは相手が愛媛ということで朝も昼もオレンジジュースを飲んできたので、あとは選手に託します。
愛媛FCの本拠地「ニンジニアスタジアム」。 見渡す限り愛媛サポーターの中で、トレードマークのピンクのヘルメット「パー子さん」の愛称で親しまれるテゲバの名物サポーターの姿もあります。
(ここまで)遠かった…。結構かかったっちゃないか。大分まで行ってフェリーに乗ってやけん。しかもここ1位やん、愛媛。ここに勝ったらやべーよ。
はるばる応援に来てくれたサポーターのためにも、勝利を目指します!
試合はテゲバジャーロ宮崎が先制しますが、そのあとに追いつかれ、好調の首位・愛媛FCを相手に1-1の引き分け。久々のゴールで、次につながる貴重な勝ち点「1」を勝ち取りました。
試合のあとも…
90分間の激闘を終えたあとも選手たちは行きと同じ行程で、宮崎へ戻ります。
今回の企画はいかがでしたか?
リアルなテゲバを見てもらえてよかったんじゃない?
これからまた8時間かけて宮崎に帰るのどうですか?
いやーしんどいでしょうね
J3のアウェー遠征を振り返って
今回の遠征に帯同して、J3のチームのアウェーの過酷さがよく分かりました。移動の大変さもそうですが、とにかくスケジュールが詰まっていて息つく暇がないというのを強く感じました。
そして後日、テゲバジャーロ宮崎のスタッフの方から佐々木キャスターへこんな写真が届きました。
暗くてよく見えませんが、私たちが見送ったあと、バスが宮崎市に到着したときの写真だそうです。その時間がびっくりの午前2時。
アウェー戦、チームは必死で戦っていました。ホームの試合だけでなく、これまで以上にアウェー戦も熱を入れて応援したいと思います。