ページの本文へ

NHK宮崎WEB特集

  1. NHK宮崎
  2. 宮崎WEB特集
  3. 放送局の“はたらくくるま”「非常用送信車」ってどんな車?

放送局の“はたらくくるま”「非常用送信車」ってどんな車?

  • 2023年03月08日

放送局の「はたらくくるま」。NHKが全国に7台保有している「非常用送信車(通称:Eカー)」を紹介します。

非常用送信車(通称:Eカー)とは?

「非常用送信車(通称:Eカー [ Emergency Car ])」とは、非常用の送信機を備え付けられる車のことをいいます。被害を受けた送信所の機能が止まってしまうことに備えて、現地に直行して放送を続けられるように作られました。

開発のきっかけは、2011年に発生した「東日本大震災」です。
当時、激しい地震の揺れで設備に亀裂が入ったり、送信所が津波で流失したりするなど、復旧に時間がかかる被害を受けたことがきっかけでした。「Eカー」の開発によって、別の場所に送信所を建てる準備を進めながら、放送を続けることができるようになりました。

非常用送信車(通称:Eカー)

2020年9月 台風10号で緊急出動

宮崎で「Eカー」が出動したのは、2020年9月の台風10号です。
美郷町の神門地区で48時間雨量が約600mmを超え、NHKと民間放送で運用している「神門テレビ送信所」の敷地が流出し、いつ送信所が倒壊してもおかしくないという状況でした。

土台の土が流出した「神門テレビ送信所」

そのため「神門テレビ送信所」の崩落に備え、放送を継続できるように「Eカー」が近くで待機しました。

2023年2月 Eカーが宮崎にやってきた

2020年の台風10号から2年、ふたたび宮崎に「Eカー」がやってきました!今回は、いざというときに備える訓練が目的です。

「Eカー」は全国のNHK放送局に7台あり、九州・沖縄地区には、NHK福岡放送局に1台が常駐しています。
NHK宮崎放送局ではふだん「Eカー」を操作する機会がないため、いざという時に確実に放送を届けられるように、各県の放送局を巡回し、アンテナや非常用の送信機など、必要な機材が不足していないか確認し、速やかに組み立てて放送を続けられるように訓練を定期的に行っています。

アンテナを組み立てている様子

災害時は、屋外で足場の悪いところでの作業が想定されるため、繰り返しアンテナを組立てて、素早く・確実に組み立てる手順を覚えます。

組み立てたアンテナを「Eカー」にとりつけ、非常用の送信機の設置が完了したら、家庭のテレビで受信できるように送り出す信号を測定器で確認します。
準備が整ったら、アンテナのポールを伸ばして「Eカー」から放送を出せる状態になります。
(訓練では、動作確認のみを行い、実際には放送は出しませんでした)

アンテナをEカーにとりつけている様子

いつ起きるかわからない災害ですが「どんなときでもテレビが映る」を守るために、日頃から訓練を重ね、いざという時に備えています。

  • 冨髙 奈美

    NHK宮崎・コンテンツセンター

    冨髙 奈美

    送受信技術を担当

ページトップに戻る