東京オリンピック・パラリンピックの開幕まで50日を切りました。茨城県では7月上旬から、海外の出場選手の事前合宿を受け入れる予定です。
選手団の来日まであとわずか。受け入れの準備がどこまで進んでいるのか取材しました。(放送2021年6月3日)


【ベルギー選手団滞在のホテルでは】

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茨城県が事前合宿を誘致したベルギーの選手団が宿泊する水戸市内のホテルでは、受け入れに向けて準備が進められています。

このホテルには、7月上旬から選手団が順次到着し、ピーク時には県内で最大となるおよそ180人が滞在する予定です。

このホテルが受け入れ準備で、いちばん重視しているのは感染対策です。

政府からは、選手と一般客との接触を避けるよう求められていますが、滞在する選手が少ないときには一般客と同じフロアに宿泊してもらうこともあるといいます。

そこでホテルは、ある工夫を思いつきました。

1つは、廊下の一方通行化です。
このホテルは、客室のあるフロアの廊下がドーナツのように1周できるようになっているため、選手も一般客も廊下を一方通行で歩いてもらうことにしました。

部屋によっては遠回りになってしまいますが、選手団と一般客がすれ違って近づくことを避けられると考えています。

さらに、選手団にはエレベーターではなく従業員用の階段を使ってもらうことも検討していて、エレベーター内で接触するリスクをなくそうと考えています。

【コロナ禍でもおもてなしを】

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一方で、制約が多い中でも、選手に滞在中リラックスしてほしいと、ホテルは開放的なラウンジを選手専用に貸し切ることにしました。

ラウンジには、軽食やドリンクを用意して練習の合間に使ってもらいたいと考えています。

「ずっとホテルで過ごすのは、心理的にひっ迫感があると思いますので、試合の前に気持ちを切り替えるために使ってもらえるといいと思う」(ホテル担当者)

さらに選手の体調管理に欠かせない食事についても、ベルギー側と打ち合わせを重ねています。

先日、サラダやフルーツなど栄養バランスを考えたサンプルメニューを送ったところ、ベルギーから追加のリクエストが届きました。

リクエストには、「ベジタリアンやさらに厳格なビーガン用の食事も用意してほしい」とか、「高タンパク質の乳製品を増やしてほしい」などといった要望が記載されていて、ホテルはさらにメニューの検討を進めています。

「これまでにお迎えしたお客様の中でも、ベジタリアンやスポーツマンといった方はいらっしゃいましたので、そうした経験を生かしながら、ご心配なくお召し上がりいただけるようにお作りしようと思っている」(ホテル担当者)

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「本番のオリンピックに向けて、選手の方々は非常に努力してこられて、最大限の力を発揮したいと思っていると思います。不安もありますが、ホテルとしては最大限のおもてなしをしたい」(水戸プラザホテル営業グループ 藤田哲史 副支配人)


【予定決まらない行方市では】

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一方、事前合宿の具体的な予定が決まらず、準備がなかなか進められない自治体もあります。

モンゴルのウエイトリフティングチームのホストタウン、行方市です。

おととしの事前キャンプの際、選手がトレーニングに使った施設を今回も練習会場として利用する予定ですが、まだ会場の準備はほとんど手つかずのままです。

事前合宿をいつからいつまで実施するのかや、選手の人数が決まっていないためです。

「人数が決まらないと、その先の宿泊施設や移動手段が決められない。例えば、1人ならば乗用車とか人数が多いならばバスだとか、そういったところもなかなか決まっていないところです」(行方市事業推進課 髙野秀紀さん)

準備が進められずにいるのはそれだけではありません。

自治体は、事前合宿の前に、練習会場や宿泊施設での感染対策などをまとめた数十ページに及ぶマニュアルを国に提出する必要があります。しかし、こちらもほとんど手が付けられていません。

「作るのは容易ではないと思います。しかし、どうしても選手が決まっていないという段階なので、こればっかりはしかたないです」(行方市事業推進課 髙野秀紀さん)

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この日、事前合宿が本当に行えそうか確認するため、モンゴル出身の職員を介して現地のオリンピック委員会の担当者と電話会議が予定されていました。

しかし。

「でないね」
「電話がつながらない。メッセージの既読もつかない…」(担当の職員)

この日は代わりに在日のモンゴル大使館に連絡し、現地のコロナの感染状況などを確認しました。

来月に迫る事前合宿。決まらないことが多く、もどかしい日々が続いています。

「なかなか進まないところもありますので、焦りはあるのですが、一つ一つ何かできることから、順繰り進めていければと思います」(行方市事業推進課 髙野秀紀さん)

 

取材:平山佳奈 記者

 

 

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