2018年08月03日 (金)

100回目の夏

夏の高校野球茨城大会も終わりました。
これからはじまる甲子園の戦いも楽しみです。

それにしても、ことしからついに夏の大会でも「タイブレーク制」が導入となりました。
個人的に思うところはいろいろありますが…。

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茨城大会でも1試合が延長13回まで突入し、実際にタイブレークが戦われました。


わたしたちが放送でお届けする準決勝の戦いでも(決勝戦は延長15回まで普通に戦います)
13回に突入した時に備え、各地方大会の結果をウオッチしてデータを用意しました。


結果的に使うことのなかったデータですが、この場をお借りして大公開しちゃいます。
関心のある方はどうぞご覧ください。


あくまで<広瀬調べ>です。


今地方大会でタイブレーク(=延長13回以降)までもつれこんだ試合は【35試合】
全国56大会のうち【22大会】でタイブレークの試合が行われました。


【発生率】としては全試合数の1%弱でした。100試合に1試合ですね。

35試合中、
延長13回で決着が24試合】【延長14回で決着が9試合】【延長15回で決着が2試合
でした。


延長16回以降までもつれこんだ試合はなく、その点からみると
“人為的に決着を早める”この制度のねらい自体は当たったといえそうです。

さて、注目なのはその勝敗。


今夏の地方大会でタイブレークで戦われた全35試合のうち、
【先攻チーム13勝/後攻チーム22勝】と結果に顕著(かつ有意ではないか)
と思われる差が生じていました。


【先攻チームの勝率,371/後攻チームの勝率,629】です。
これは一般に「後攻の勝率が52~54%」とされる野球において目についた結果といえそうです。


ちなみにイニング別に勝敗と勝率を見ると
延長13回で決着 先攻9勝(勝率,400)/後攻15勝(勝率,600)
延長14回で決着 先攻3勝(勝率,333)/後攻6勝(勝率,667)
延長15回で決着 先攻1勝(勝率,500)/後攻1勝(勝率,500)
となりました。


人為的にノーアウト1・2塁のチャンスから攻撃が始まるタイブレークにおいて「先攻チームの得点の入り方を見て、明確な得点目標を持って攻撃できる」後攻チームの方が作戦面などでねらいがしっかりと絞れるため、優位な結果を残しているのかもしれません。


このように、この夏の地方大会の結果からはタイブレークに入ると後攻が有利という結果が出ています。


ただ試合開始前の時点で「延長13回に突入する」ことを念頭に先攻後攻を決めるチームもないと思うのでこれはやってみたら結果として出たもの、とするべきものなのかもしれません。


それではもう少し戦略・戦術上意味のある数字は出てこないかと考えてみたのが「延長13回表の得点」「勝敗」の相関関係です。


以下の通りとなりました。
延長13回表が「無得点」の場合………14例中、先攻チームは1勝13敗(そのうち9例は13回裏に即サヨナラ負けを喫していました)】
延長13回表が「1点」の場合…………6例中、先攻チームは2勝4敗】


つまり
延長13回表が「1点以下」の場合……20例中、先攻チームは3勝17敗】
という結果が出てきました。


逆に
延長13回表が「2点」の場合…………11例中、先攻チームの7勝4敗】
延長13回表が「3点」の場合…………3例中、先攻チームの2勝1敗】
延長13回表が「4点」の場合…………今夏の地方大会では例ナシ】
延長13回表が「5点」の場合…………1例中、先攻チームの1勝(ちなみに茨城大会の牛久高校でした)】


つまり
【延長13回表が「2点以上」の場合……15例中、10勝5敗】
となりました。


これらの結果を総合すると、どうやらタイブレーク制においては
「延長13回表の攻防が大きな意味を持ち」
「先攻チームはとりあえず2点以上とる攻撃を目指すのが勝利の可能性を高め」
「後攻チームは1点以内に抑えることが勝利に近づく」ことになるということのようです。


この夏の地方大会の35例という総数の少なさから、果たして統計と呼べるものと言えるかは別として、また全国の強豪・精鋭が揃う甲子園大会と、参加各校のレベル差にばらつきも大きい地方大会の数値を単純に当てはめることが出来るかどうかも別として、「とりあえずこんな傾向もあるらしいよ」ぐらいな気分で大会を眺めてみたり酒の肴の話のタネとしてみるのもよいのかもしれません。


それと、ここまで書いておきながらなんですが、
日本高野連によると
「ことし春までの3年間、全国の春・秋の都道府県大会で92試合がタイブレークに突入。その勝敗は先攻チーム44勝/後攻チーム48勝」
だったと、朝日新聞さんのネット記事で報じています。
この数値をとるなら先攻・後攻による有利不利は認められない、ということになりますね。


まぁなんにしても、野球ってホント、ゲーム性の高さばかりでなく現れてくる数字でも楽しめる競技ですよね。


甲子園、100回となる夏の大会。開幕を目前に控えての一考察、でした。


久々のブログで長文失礼いたしました。


 

 

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